花粉で肌荒れになる?原因と適切な予防策・対処法を解説

花粉シーズンのお悩みで有名なのは、鼻水や鼻づまり、目のかゆみや充血ですよね。一方で、肌の赤みやかゆみといった肌トラブルに悩まされている方もいるのではないでしょうか。
花粉は肌にとって外的刺激となる異物なので、肌に付着することでアレルギー反応を引き起こしてしまう方もいます。

今回は花粉シーズンに起こりがちな肌荒れ対策やケア方法をお話しします。

花粉 肌荒れ

花粉による肌荒れの基礎知識

花粉による肌荒れは、なぜ起きてしまうのでしょうか。
ここでは花粉が肌に及ぼす影響、肌が荒れてしまう理由や荒れやすい部位についてお伝えします。
花粉の時期に肌の調子が悪い自覚のある方は、ぜひご自身の症状と照らし合わせてみてくださいね。

花粉と肌の関係

肌には皮脂や天然保湿因子(NMF)などのうるおい成分が蓄えられており、外部からの異物の侵入を防ぐためのバリア機能的役割を果たしてくれています。
ですが、乾燥などの原因によりそのバリア機能が低下することも…。花粉は肌にとって外的刺激となる異物なので、バリア機能が低下した肌にとって大敵。弱った肌に花粉が付着すると、肌荒れを起こす原因になるのです。

花粉が皮膚の薄い箇所についたり、目、鼻の粘膜にくっつくことでかゆみが起き、掻いたり擦ったりすると赤み・炎症を引き起こす原因となります。
また、そうして傷ついた皮膚から菌が入り繁殖して炎症が発生したりすることもあります。
花粉が原因で起こるこうした肌荒れが、いわゆる花粉皮膚炎や花粉症皮膚炎と呼ばれているもの。接触性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎と同様、症状がひどい場合は皮膚科での治療が必要です。

花粉による肌荒れが生じやすい部位

花粉が付着しやすい部位や、皮膚が薄い部位が肌荒れになりやすいと言えるでしょう。
具体的には顔や首、中でも目元、口元などは皮膚が薄く、外的刺激にさらされやすいので重点的にケアを行うことが必要です。
また、子どもの頃アトピー性皮膚炎だった方、もともと湿疹の出やすい体質の方は花粉皮膚炎を起こす可能性が高いので注意してくださいね。

花粉による肌荒れが生じやすい部位

花粉による肌荒れの予防法

花粉による肌荒れ=花粉皮膚炎が起こる原因は、乾燥により肌のバリア機能が低下した肌に、花粉が付着し刺激を与えること。
では、この花粉皮膚炎を予防するためには、何を行えば良いのでしょう。ここでは花粉による肌荒れの予防法をお伝えします。

乾燥を予防して肌のバリア機能を保つ

花粉による肌荒れを予防する上で一番大切なことは、スキンケアで肌に十分なうるおいを与え、バリア機能の回復を目指すこと
一度乾燥してしまうと、肌のバリア機能はどんどん衰えてしまうので、肌に乾く隙を与えないような乾燥予防ケアがおすすめです。

化粧水、美容液、乳液、クリームや、オールインワンアイテムなどを活用して肌を湿潤した状態に導くと、長時間うるおいが持続するのでおすすめです。
スキンケアのタイミングは洗顔後すぐが◎。
スキンケアアイテムを選ぶ際は、保湿効果の高いセラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどの保湿成分に着目して、肌に合うアイテムを選ぶと良いでしょう。
メイクアイテムは「ゆらぎ肌用」や「敏感肌用」といった、肌に優しい物を選んであげれば、肌荒れを気にせずメイクを楽しむことができますよ。

花粉をガードする

アレルギー症状を引き起こしてしまう理由は、花粉が肌に付着してしまうため。肌のバリア機能を高めることはもちろんですが、物理的に肌に花粉が付着しないようにあらかじめ対策することも効果的です。
マスクや帽子、メガネを着用する、静電気が発生しないように衣類の素材に気を使う、帰宅後は衣類をしっかり払い、花粉を払うことなどが大切。

花粉を取り除く、手洗いを心掛け、外出から帰宅後は早めに体を洗うなど、簡単に生活に取り入れることができるので試してみてください。
自宅に花粉を持ち込まないことも大切なポイント。空気清浄機を活用し、室内を清潔な空気に維持すること、洗濯物を外に干さず室内干しにすることも◎です。

花粉による肌荒れが生じたときの対処法

ここまでは、花粉による肌荒れが起こる原因や予防法についてお話ししてきました。では、実際に花粉皮膚炎が起きてしまったらどうすれば良いでしょうか。
ここでは花粉皮膚炎が起きたときのスキンケアやメイクなど対処法についてお伝えします。

スキンケア・メイクアイテムを見直す

乾燥によってバリア機能が低下している肌は、花粉の付着がない場合でもデリケートでアレルギー反応を起こしやすい状態です。
そんな弱った状態の肌は、いつもに増して注意が必要。普段は刺激にならないスキンケアアイテムやメイクに使用しているアイテムが肌に刺激を与えてしまう可能性があるからです。たくさんのメイクアイテムを使用することや配合されている成分の多い化粧品は使用することは、それ自体が刺激になることもあるため、悪循環…。
花粉皮膚炎の症状が現れたら、肌にやさしく、シンプルなスキンケア、メイクを心掛けると良いでしょう。
何を使えば良いかわからない時は、パラベンや肌への刺激となる成分が無添加のオールインワンアイテムを使用することがおすすめです。
オールインワンアイテムはひと塗りで肌に適切な水分量と油分量を与えることができるので、肌への摩擦刺激が少なく忙しい方や面倒くさがりな方にもぴったりです。

皮膚科の受診を検討する

保湿ケアや、花粉対策などを続けていても症状が落ち着かず悪化してしまう場合は、皮膚科での治療を検討するのも解決法の一つです。かゆみや赤みが出ている肌を扱う際に気を使いたいのは、肌をかくことを避けること。かくことでバリア機能が余計に低下し、症状が悪化しやすくなるからです。
かゆみがある肌は無意識のうちにかいてしまうこともあるので、症状が落ち着かない場合は皮膚科医から塗り薬や、アレルギーを抑制する薬を処方してもらうと安心です。

花粉によるアレルギー症状と一口に言っても、原因となる花粉はスギやヒノキ、ブタクサなど種類が豊富…。
自分が何に反応しやすいのか気になる方は血液検査などでアレルギーの原因追究も可能なので検査してみるのもオススメです。
原因となる植物がわかることで、春先や秋など自分の症状がいつ頃出やすいのかが分かるようになりますよ。

花粉皮膚炎のための肌ケアは「落とすこと」と「保湿」

花粉シーズンの肌荒れの原因は、乾燥してバリア機能の低下した肌に外的刺激物である花粉が付着し、アレルギーを引き起こすこと。花粉症の主な症状である目のかゆみや鼻水などに隠れがちですが、花粉の影響は肌にもしっかりと現れてしまいます。
花粉による肌のダメージを最小限に食い止めるためには、しっかりとした乾燥予防を行うことが肝心です。
肌の水分量と油分量のバランスを整えることでバリア機能の低下を防ぐことができるので、花粉からの刺激を受けにくくなりますよ。

花粉皮膚炎の症状が出ていない方でも、鼻のかみすぎで鼻の皮膚が傷ついてしまったり、目をかいてしまって目の粘膜が傷ついてしまうこともあります。
柔らかいティッシュを使用したり点眼薬を使用したりと、自分なりに工夫して花粉症シーズンを乗り切りましょう。

もし症状がひどい場合や、なかなか肌荒れが治らない時は市販薬を使用するのも良いですが、ぜひ皮膚科の先生に相談してみてください。
専門家に自分の症状にあった軟膏や内服薬を処方してもらって治療や予防をすることで、より快適に過ごすことができますよ。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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