シミを改善するにはまず種類を知ることから!それぞれの原因、対処法を解説

シミには複数の種類があり、日焼けや遺伝、ホルモンバランスの乱れなどによって現れます。シミを改善するには、まず種類を見分けてシミができてしまった原因を探り、自分に合ったケアをすることが大切です。本記事ではシミの種類と見分け方、そしてシミの種類ごとの対処法、すぐに使えるシミを隠せるメイクのコツを紹介します。

シミの種類①老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

老人性色素斑
原因として最も多いのは紫外線、その結果として多いシミは老人性色素班です。まずはこのシミができるメカニズムと、予防・対処法を紹介します。

原因は紫外線

紫外線が原因となる代表的なシミの種類が、老人性色素斑です。別名・日光黒子(にっこうこくし)とも呼ばれます。紫外線の浴びすぎで肌の代謝機能が低下し、シミの元となるメラニンが過剰に生成され、黒っぽく肌の表面に浮き出てきます。30代前後から現れることが多く、始めは薄く徐々に色が濃くなる傾向に。顔だけではなく手や腕にも現れやすいです。

見分け方

境界線のはっきりした円形の茶色っぽいシミが、顔にバラバラとある場合は老人性色素斑と考えられます。日常的に紫外線をよく浴びている人は特に可能性が高いでしょう。
シミの見分け方に迷った場合は、こちらのシミ審断ページでいくつかの質問に答えるだけでシミタイプや対処法が分かります。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

予防と対処法

シミ(特に老人性色素斑)の予防または悪化を防ぐには、紫外線対策を万全にすることが基本です。日頃から日焼け止めをこまめに塗り、日差しの強い日には日傘や帽子なども取り入れましょう。できてしまったシミには、美白効果が期待できるビタミンCなどの栄養素を摂取すると改善が期待できます。
化粧品で改善が期待される成分は、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)、ビタミンC誘導体、プラセンタエキス、トラネキサム酸など。服用することで効果が期待できる医薬品もあります。ちなみに美白有効成分が配合された化粧水や美容液がシミに効くというイメージがありますが、実際はすべて予防を目的としたものです。既にできてしまったシミには効果が発揮されません。他にも皮膚科でレーザー治療を受けるという手段もあります。ただし、レーザー治療で反対にシミが濃くなったという事例もあるので、医師としっかり相談して慎重に行ってください。  

シミの種類②炎症後色素沈着(えんしょうごしきそちんちゃく)

炎症後色素沈着
ニキビや傷の跡が黒ずんで、なかなか改善しないという経験のある人は多いでしょう。それは炎症後色素沈着と呼ばれる種類のシミです。傷跡がシミになる原因と、予防・対処法を紹介します。

原因は皮膚の炎症

ニキビや火傷・怪我などが原因で、肌が炎症を起こした後にできるシミが炎症後色素沈着です。肌の炎症によりメラニンの生成が促進され、正常に排出できずに残ったものが肌の表面に現れます。時間が経過するとともに薄くなることが多いですが、紫外線を浴び続けることで濃く残る場合があるため注意が必要です。

見分け方

ニキビや怪我などの後に現れたシミは、炎症後色素沈着と考えて良いでしょう。境界線がわかりにくく、色ムラが多いのも特徴です。身体のどこにでもできる可能性があります。

予防と対処法

紫外線が当たると色素沈着を起こしてシミになりやすいので、炎症が起きた部位のUVケアを特に念入りに行ってください。またターンオーバー(肌の生まれ変わりのサイクル)を促すと、沈着した色素が薄くなっていくため、ターンオーバーを助けるL-システインが含まれる食品(肉類・小麦粉)やサプリを積極的に摂取するのも良いでしょう。ただし、加齢によりターンオーバーの機能が低下するため、他の対策を考える必要があります。

シミの種類③肝斑(かんぱん)

肝斑(かんぱん)
30代以降の女性に多く見られるのが肝斑です。老人性色素斑などのシミとは対処が異なるため、しっかり見分けて専用のケアをすることが重要です。肝斑の原因と見分け方、対処法を紹介します。

原因はホルモンバランス

肝斑の原因の1つに女性ホルモンが関係しているとされていて、ホルモンバランスが乱れやすい30代〜50代の女性に多く見られます。また妊娠やピルの服用、ストレスによって引き起こさることもあります。紫外線のダメージによって悪化する可能性があるため、注意が必要です。

見分け方

頬骨の辺りに薄い褐色で境界線のはっきりしない、もやもやしたシミが左右対称に広がっている場合は、肝斑であると考えられます。30代・40代の女性に特に多く見られ、閉経後は目立ちにくくなるのが特徴です。

予防と対処法

肝斑への予防と対処法で重要なのが、原因であるホルモンバランスの乱れを整えること。十分な睡眠やバランスの良い食事、ストレスを溜め込まないなどの生活習慣を見直すことがホルモンバランスの改善につながります。また、トラネキサム酸やビタミンCが配合された内服薬が有効とされています。

シミの種類④雀卵斑(じゃくらんはん)

雀卵斑(じゃくらんはん)
雀卵斑とは、いわゆるそばかすのこと。子どもの頃から気になっていた人もいるのではないでしょうか。そばかすができる原因と予防・対処法を紹介します。

原因は遺伝

一般的にそばかすと呼ばれているシミが雀卵斑です。遺伝的な要因が強く、幼児期から見られ思春期ごろに目立ってくるのが特徴です。特に色白の人に多く見られます。

見分け方

他のシミと違い、子どもの頃からあることが特徴です。鼻や頬を中心に、数ミリ以下の茶色く丸い斑点が散らばるように現れます。背中や肩、腕など紫外線が当たりやすい部位にできるのも特徴です。春から夏にかけて色が濃くなる傾向があるのも判断基準になるでしょう。

予防と対処法

雀卵斑は遺伝性のものが多いため完全に防ぐのは難しいですが、基本的には思春期をピークに、その後は次第に薄くなっていきます。しかし紫外線の影響で濃くなることがあるので、こちらも紫外線対策と、化粧品などによる美白ケアが大事です。

その他のシミ

代表的なシミの種類を紹介してきましたが、上記には当てはまらないシミもいくつか存在します。その他にも見られることが多いシミについて説明します。

ADM(後天性メラノサイトーシス)

ADM(後天性メラノサイトーシス)
両頬の上部に小さな茶色の色素斑が増えてくるのがADM(後天性メラノサイトーシス)です。遅発性太田母斑様色素斑とも呼ばれます。20歳前後から現れることが多く、そばかすや肝斑と間違えられることがありますが、正式には「あざ」の一種です。
ADMの原因は不明で、薄くするには真皮メラノサイトの破壊と除去が必要となるため、レーザー治療が有効と言われています。

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍で、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とも呼ばれます。病態としては老人性色素斑と同じですが、老人性色素斑が腫瘍化して盛り上がってきた場合に、脂漏性角化症と分類されます。30〜40代以降から増え、全身のどの部位にもできる可能性があるのです。さわるとイボのようにザラザラするのが特徴で、除去するには液体窒素や炭酸ガスレーザーでの治療が必要となります。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

メイクテクニックでシミを隠す方法

数種類のファンデーション
シミを今すぐ隠したい場合は、メイクで隠すのも方法の1つです。シミを目立たなくするメイクのテクニックを紹介します。

広範囲にわたるシミはファンデーションでカバー

そばかすなど広範囲に点在するシミを隠すには、カバー力の高いファンデーションで一気に隠すのがおすすめです。テクニックとして、頬の上にはクリームチークとツヤの出るファンデーションを混ぜて使用すると、光を反射するので細かいシミが目立たなくなります。
シミを隠すファンデーションの選び方や塗り方については、以下の記事でも詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。

特に気になるシミにはコンシーラーを重ねる

気になるシミをピンポイントで隠したい場合には、スティックタイプのコンシーラーが活躍します。まずは顔全体にファンデーションを伸ばし、まだ浮き出ている濃いシミだけ、硬めのスティックコンシーラーで置くように丁寧にカバーしていくのがおすすめ。

濃淡のあるシミには2色使いが効果的

肝斑などのシミを隠して、自然な仕上がりを目指すなら濃淡が揃うパレットタイプのコンシーラーが便利です。まずは濃い色でシミをカバーし、次に薄い色を重ねることで肌の色に近づけます。肌になじませる際は、境目だけをぼかすようにすると剥がれを防げます。

シミの種類に合ったケアでシミは薄くできる

笑顔の女性
1度できると改善するのが難しく感じるシミ。しかしシミの種類に合ったケアをすることで改善は可能です。正確な診断を得るには医師への相談も必要ですが、原因を知ることでご自身での対処もしやすくなりますよ。
もしシミの種類に悩んだら、以下のシミ審断なども活用してみてください。こちらのシミ審断ページでは、いくつかの質問に答えるだけでシミタイプと対処法が分かります。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。

- 【 医療法人社団禅銀座禅クリニック】あなたの美のかかりつけ医に