【シミ対策の鍵はターンオーバー】ターンオーバーを促進して美肌を目指そう
ターンオーバーとは肌の生まれ変わりのことです。通常、ターンオーバーは一定の周期で行われます。しかし、ターンオーバーが乱れると、メラニンが肌の表面へ排出されず、内部に残ったままとなりシミになることも。この記事ではシミ対策に正常なターンオーバーが必須な理由、周期を整える方法などを解説します。
シミ対策に正常なターンオーバーが必須な理由
肌はターンオーバーによって、新しく生まれ変わります。しかし、さまざまな原因によりターンオーバーの周期が乱れるとシミの原因に。まずシミ対策に正常なターンオーバーが必須な理由を解説します。
ターンオーバーとは
ターンオーバーとは、肌の細胞が一定の期間(目安は約28日)で生まれ変わること。肌の表面にある表皮は、肌の外側から「角層(かくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」の4層からなる構造です。
ターンオーバーが行われる際は、一番内側の基底層にある細胞が分裂し、肌の外側に徐々に押し上げられます。角層まで到達するとアカとなって剥がれ落ち、表皮細胞が生まれ変わります。
ターンオーバーによりシミの元となるメラニンが消える
シミの元となるメラニンは肌の基底層にあるメラノサイトで作られます。メラニンは、紫外線から肌細胞を守るために生成される色素です。紫外線を浴びるとメラノサイトが増加し、メラニンの生成が活発に。作られたメラニンは、やがてターンオーバーによって細胞とともに剥がれ落ちます。一時的な日焼けなら1ヵ月程度でおさまります。
ターンオーバーの周期が乱れてシミの原因に
ターンオーバーの周期が乱れ、新陳代謝が滞留するとメラニンが排出されにくくなります。メラニンが増えすぎると、表皮細胞(ケラチノサイト)の部分で色素沈着したものがシミに。そのためシミの発生を防ぐには、メラニン排出の促進が重要なのです。
シミの種類はすべて同じではなく、それぞれに対処法も異なります。自分のシミがどの種類なのか確認するためにも、シミ審断でチェックしてみてください。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
シミの原因!ターンオーバーが乱れる理由
ターンオーバーが乱れる原因は加齢だけではありません。ここでは、ターンオーバーが乱れる主な原因を3つ紹介します。
生活習慣の乱れ
- 不規則な睡眠
睡眠のリズムが乱れると、成長ホルモンが分泌されにくくなります。ちなみに、成長ホルモンは入眠から3時間後に分泌されやすいと言われています。 - 食生活の乱れ
肌に必要なビタミン類、ミネラル類、タンパク質といった栄養素が不足すると、パサつきの原因やターンオーバーの乱れにつながります。 - ストレス
ストレスにより自律神経のバランスが崩れるとターンオーバーが乱れやすくなります。また、ストレスにより男性ホルモンの分泌が増加し、皮脂量が増える傾向に。 - 運動不足
筋肉には血流を押し流す力があります。運動不足になると筋肉量の低下を招きやすく、血の巡りが悪化するとターンオーバーの乱れにつながります。
不適切なスキンケア
- 洗顔やクレンジング不足
角質層まで押し出された古い皮膚は自然に剥がれず、残っているものもあります。洗顔やクレンジングが不十分だと角質が定着し毛穴が黒ずみやすくなります。 - 過度の洗顔やクレンジング
強い洗顔料はターンオーバーのサイクルを促進しすぎることがあります。肌の水分が奪われ乾燥が進み、さらにバリア機能が低下するため、肌トラブルの原因につながることも。 - ピーリングなどのやりすぎ
過度に肌へ刺激を与えると炎症が起こり、色素沈着しやすくなります。
紫外線や肌の乾燥
前述のように紫外線によりメラニンが生成されます。また、肌の水分不足による乾燥もターンオーバーが遅れる原因となるので注意が必要です。
シミの予防・改善に!ターンオーバーを促進する方法
気になるシミを改善して、美肌を目指すためにはターンオーバーを整えることが鍵となります。こちらではシミ対策に効果が期待できる、ターンオーバーを整える方法を解説します。
紫外線から肌を守る
紫外線はシミの元となるメラニンが生成される大きな原因と言われています。また紫外線は季節や天気に関係なく、一年中降り注いでいます。そのため、気付かないうちに紫外線を浴びて、肌にダメージを受けている場合も。
日焼け止めクリームを塗る、UVケア用のベースメイクを使用するなどの対策で紫外線から肌を守りましょう。日傘、帽子、サングラスなども日焼け対策グッズとしておすすめです。
バランスの良い食事を摂る
ターンオーバーを整えるには、以下の栄養素を含む食材を摂るのがおすすめです。
特徴 | 主な食材 | |
---|---|---|
ビタミンB2 | 肌のターンオーバーを 正常にする働きがある | 卵、乳製品など |
ビタミンB6 | 肌のターンオーバーを 早める働きがある | バナナ、アボカド、 じゃがいも、玄米、 ささみ肉、マグロ、 カツオなど |
L-システイン | アミノ酸の一種で、 ターンオーバーを 正常にする働きがある | 大豆、小麦など |
質の良い睡眠をとる
睡眠の間に、肌のターンオーバーに不可欠な成長ホルモンが分泌されます。睡眠の質を高めるために、寝る前に以下のことを意識してみましょう。
- 部屋の照明を真っ暗にするなど環境を整える
- 寝る前にスマホを触らない
- 就寝直前に飲食しない
適度な運動を行う
運動不足もターンオーバーが乱れる原因の一つです。運動不足を解消する方法として、ウォーキングやストレッチ、ヨガなど軽い運動がおすすめ。まずは一日10分程度からできる簡単な運動から始めてみると良いでしょう。運動すると血流も良くなり、ストレス解消にもつながります。
シミ対策になるスキンケアを行う
スキンケアを行う時は、優しく丁寧に肌に触れること。クレンジングなどで力を入れて肌をゴシゴシすると、摩擦によるダメージを肌に与えてしまいます。また肌の汚れはその日のうちにクレンジングや洗顔などでしっかり落とし、洗顔後すぐに保湿をして乾燥を防ぎましょう。
化粧品はターンオーバーを促進する成分が入ったものを選ぶのがおすすめです。例えば「グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)」は、適度な酸化ストレスを肌細胞に与え、肌防御システムを活性化。また、外用薬の成分である「トレチノイン」は皮膚の細胞を活発に増殖させます。こういった成分の働きでターンオーバーの促進が期待でき、シミ対策に役立ちます。
皮膚科を受診する
皮膚科では、レーザーやケミカルピーリングなどの治療が行われます。また、ビタミン剤やL-システイン配合の内服薬や、ターンオーバーを早める効果がある「トレチノイン」という外用薬が処方される場合もあります。皮膚科ではシミの種類に合わせた治療が行われるので、まずは医師に相談するのがおすすめです。
シミ対策の効果を実感するのに時間がかかる理由
お手入れをしていてもなかなか目立たなくならないシミ。改善に時間がかかる理由はターンオーバーの乱れ以外にもあります。その理由について解説します。
メラニン生成のスイッチが増えている
紫外線によるダメージが蓄積している場合、メラニンを生成するスイッチである受容体が増えていることも。そのため、大量のメラニンが常に生成され、シミが消えるのに時間がかかってしまいます。
紫外線に反応しやすくなっている
メラニンが大量に生成されると、弱い紫外線でも肌が反応しやすくなっている場合があります。わずかな紫外線を浴びただけで、すぐ過剰にメラニンを生成してしまいます。
メラニンを抱えたケラチノサイトが角層の下にできている
大量に生成されたメラニンはケチラノサイトへ受け渡されます。やがてターンオーバーにより少しずつ外側へ押し上げられたものが、将来シミとなるのです。今あるシミの下にもシミが待機しているので、ターンオーバーが進んでもなかなかシミが消えないことも。「シミが濃くなった?」と感じるのも、ターンオーバーの過程でより表面に近くなって見えるようになったことが原因です。
毎日の積み重ねでターンオーバーを整えてシミ対策しよう
紫外線対策はもちろん、生活の見直しをするとターンオーバーが整いやすくなります。シミ対策は毎日の積み重ねです。正常なターンオーバーを意識しながら、お手入れや対策を行いましょう。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長
・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。