シミができるメカニズムとメラニンの関係性|排出を促して色素沈着を防ぐ方法も

シミができるメカニズムとメラニンの関係性|排出を促して色素沈着を防ぐ方法も

本来は肌を守ってくれる存在のメラニンですが、何らかの原因で過剰に生成されたり、排出されずに蓄積すると、色素沈着を起こしシミとなって現れます。しかし上手く排出をサポートすれば、シミが薄くなる可能性も。 この記事では、メラニンが元となりシミができるメカニズムや、シミが薄くなるメカニズムと改善方法を紹介します。

メラニンとの関係は? シミができるメカニズム

メラニンがシミの元と聞いたことのある人は多いでしょう。実際にどのように関係してくるのか、シミができるメカニズムを解説します。
シミができるメカニズム図

1.紫外線などの刺激を受ける

肌が紫外線などの刺激を受けると、メラノサイト(色素細胞)が活性化し、メラニン色素が生成されます。メラニンは本来、肌トラブルや皮膚がんなどの病気を防いでくれる大切な物質です。

2.肌のターンオーバーが乱れる

表皮の基底層にある表皮細胞が徐々に押し上げられ、最終的にアカとなり肌から剥がれ落ちるのがターンオーバー(肌の生まれ変わり)です。通常はおよそ28日周期で繰り返され、その際にメラニンも一緒に排出されます。しかし紫外線を浴びすぎるとターンオーバーのサイクルが遅れがちになり、肌に必要以上のメラニンが残存する原因に。その他、肌への過度な刺激やストレス・加齢などもサイクルが乱れる一因となります。

3.メラニンが蓄積されシミになる

ターンオーバーのサイクルが乱れ正常に排出されなかったメラニンは、表皮にどんどん蓄積されていきます。そしてその蓄積されたメラニンが、皮膚に色素沈着を起こします。これがシミの原因です。

シミを薄くするには種類を知ることが大切

悩む女性
一口にシミと言っても、種類は1つではありません。代表的なものでは「老人性色素斑」「そばかす」「肝斑」「炎症後色素沈着」などが挙げられます。
シミの種類によって原因も異なるため、対策をおこなう前に種類を知ることが重要です。種類によってはターンオーバーで改善できるシミと、そうでないシミがあります。もし自分のシミの種類がわからない場合は、下記の記事で詳しく説明していますので確認してみてください。
また、以下のシミ審断でも自分のシミの種類を知ることができます。いくつかの質問に答え、今あるシミと改善方法をチェックしてみませんか。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

メラニンの蓄積でできてしまったシミを改善するには

スキンケアをおこなう女性の手元
できてしまったシミも、適切なケアを行えば改善する可能性は十分あります。一般的なシミの改善方法と、必要な期間を紹介します。

シミを改善するために必要なこと

できてしまったシミを改善する方法の1つは、乱れてしまった肌のターンオーバーのサイクルを正常に戻すこと。特に紫外線が主な原因となる「老人性色素斑」や色素沈着によるシミは、セルフケアでも改善が期待できるでしょう。
ただし、「そばかす」「肝斑」「メラノサイトーシス」などのシミは、セルフケアでの対処は困難とされています。セルフケアで改善が見込めないシミについては、皮膚科での相談をおすすめします。

シミが改善するまでに必要な期間

正常な肌のターンオーバーのサイクルはおよそ1ヵ月ほどですが、加齢などによりターンオーバーのサイクルが遅れている可能性があるので、対策を始めてから3ヵ月ほどは様子を見るのが良いでしょう。
シミケアを始めると以前よりもシミが濃くなった、急にシミが増えたと感じることもあります。それはシミがターンオーバーにより徐々に表面に押し出されるためであり、シミが消える前兆とも考えられるので、焦らずケアを続けてみてください。

代表的なシミの改善方法

シミを改善させる方法には、シミに効果があるとされる化粧品の使用や内服、皮膚科での治療などといった方法があります。
シミの種類によって、対処法が異なるので注意が必要です。詳しいシミの改善方法については、下記の記事も参考にしてください。
外用、内服は医師に従って用法、用量をしっかり守ってください。

メラニンによるシミが薄くなるメカニズム

仕組みを説明するイメージ
シミを改善するには、そのメカニズムを理解することが大切です。ここではシミが薄くなるメカニズムを解説します。

1.メラニンの生成・活性化を抑える

まずは、過剰になっているメラニンの生成を抑えることが先決。 過剰な生成で蓄積されたメラニンは、放っておくと活性化しさらに色が濃くなってしまいます。蓄積・活性化したメラニンを元に戻す(=還元)していくことで、濃くなったシミを薄くすることが期待できます。

2.ターンオーバーを促進する

肌のターンオーバーを促進すると、シミの元となる蓄積されたメラニンが排出され色素沈着を防ぎ、シミが改善されていきます。

メラニンの色素沈着を防ぎ、排出を促す方法

ビタミンの豊富なサラダ
シミが薄くなるメカニズムに沿って対策をすると、紫外線などの刺激によりできたシミの改善や、新たなシミを作らないための予防につながります。ここではメラニンをシミにしないために日々できることを紹介します。

紫外線対策

メラニンが過剰に生成される1番の原因は紫外線。日々しっかりと紫外線対策をおこなってください。日頃は日焼け止めをこまめに塗り、帽子・日傘などの紫外線対策グッズも併用すると効果的です。また、できる限り紫外線を浴びる時間を減らすように意識していきましょう。

生活習慣の改善

肌のターンオーバーを促進する第一歩は、生活習慣の改善です。睡眠をしっかり取り、飲酒・タバコなどはなるべく控えるようにするなど、規則正しい生活を心がけると新陳代謝が高まり、ターンオーバーのサイクルも整います。
その他、バランスの良い食生活を心がけることも大事です。特に、紫外線対策に有益なビタミンが豊富なトマト・ほうれん草などの野菜、レモン・イチゴなどのフルーツは積極的に食事に摂り入れていきましょう。

スキンケアの見直し

紫外線による日焼けジミや色素沈着であれば、化粧品での改善が期待できます。特に、メラニンの活性化を抑えるにはビタミンCが有効とされているので、日々のスキンケアに取り入れるのがおすすめです。
できてしまったシミの改善に効果が期待できるのは、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)などが配合された化粧品。ちなみに美白化粧品の有効成分とされるものは、一部を除きほとんどが予防するためのものです。

ターンオーバーでは改善しない? セルフケアでは改善できないシミ

病院で相談する女性
一部、肌のターンオーバーを促すだけでは改善しないシミもあります。セルフケアでは改善が難しいシミの種類と、そのようなシミを改善する方法を紹介します。

ターンオーバーでは改善しないシミの種類

ターンオーバーでは改善されない主なシミは、「肝斑」「そばかす」「脂漏性角化症」「後天性メラノサイトーシス」です。シミとなった原因が紫外線以外であったり、肌の奥深いところにできてしまっていたりするため、ターンオーバーを促すだけではなかなか改善されず、セルフケアでの対処も困難と考えられます。ただし紫外線により悪化する場合があるので、これらのシミにも紫外線対策は必須。
できてしまったシミの種類を見分けたい場合には、こちらのシミ審断がおすすめです。いくつかの質問に答えるだけで、自分のシミタイプを判別することができます。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

皮膚科でシミを改善する方法

セルフケアで改善できないシミを薄くするには、皮膚科での治療が必要となります。レーザー治療やフォトフェイシャルが有効とされているので、自分に合った治療法を皮膚科医と相談しましょう。
また「肝斑」の場合は、内服薬での改善が期待できるので、皮膚科で処方もおこなっています。

メラニンとシミの関係を知って適切なシミケアを

頰に手を添える女性
シミの対策は、メラニンを蓄積させないことが必須です。まずは生活の中で取り入れられるものから始めてみましょう。ただし中には、セルフケアでは対処が難しいシミも。

 

もし自分のシミの種類がわからない場合は、以下のシミ審断も活用してみてください。簡単な質問に答えるだけで、今あるシミの対処法が分かります。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。

- 【 医療法人社団禅銀座禅クリニック】あなたの美のかかりつけ医に