顔の赤みはシミ?見分け方と対処法を紹介

シミにはさまざまな種類がありますが、赤みがかったものを発見したら注意が必要です。赤みが長期間続いているようであれば、日光角化症という皮膚がんの初期である可能性も。赤いシミの種類は、日光角化症以外にもいくつかあります。この記事では赤いシミの種類や見た目の特徴、原因、対処法を解説します。

本当にシミ?赤みのあるシミについて

赤みがあるシミのようなものがあったら、傷跡やニキビ跡でないかも考えてみましょう。シミにはいくつかの種類があるため、見分けるのは難しいものです。まずは赤いシミの考えられる原因や種類について解説します。

ニキビ跡や傷跡による赤みである場合も

ニキビ跡でできた赤み
シミだと思っていても、実際にはシミではなくニキビ跡や傷跡の可能性もあります。赤みのある状態は基本的に炎症状態であるため、放っておくと色素沈着が起きてしまいます。この色素沈着の出来始めは赤みを帯びがちですが、時間の経過とともに茶色から無色に。
赤みの改善方法は色素レーザーを使う、ビタミンCやトラネキサム酸が配合された化粧品でセルフケアするなどが挙げられます。

毛細血管拡張症(赤ら顔)の可能性

赤ら顔
毛細血管拡張症は、毛細血管が拡張し血管が透けることで皮膚が赤く見える症状があり、「赤ら顔」と呼ばれることもあります。改善に効果的なのが、皮膚科でのレーザー治療や、保険適用外のクリームを塗るなどとされています。

赤みの後で茶色くなったら炎症後色素沈着かも

顔にできた炎症後色素沈着
炎症後色素沈着はニキビや傷、やけど、虫刺されなどが原因で肌に炎症が起き、その部分が赤くなります。炎症が治まった後で赤みのあった部分が茶色く変化した場合は、炎症後色素沈着かもしれません。
その他のシミの種類を知りたい人は、こちらの記事もぜひチェックしてください。

まれに見られる赤みを帯びたシミ

①脂漏性角化症
脂漏性角化症は加齢が原因とされ、老人性イボとも呼ばれます。顔だけでなく全身にできるのが特徴です。病態としては老人性色素斑と同じですが、腫瘍化して盛り上がってきたものが脂漏性角化症と言えます。
皮膚にできた脂漏性角化症
炎症すると赤みが出ますが、茶色や普通の肌色のものも。盛り上がりは難しいですが、色味は化粧品で改善する可能性があります。ちなみに、脂漏性角化症を触ったり、除去したりすると赤みを帯びるので注意が必要です。
②日光角化症
顔に赤みのあるシミができていたら、日光角化症という皮膚の病気の可能性も。この病気は皮膚がんのかなり初期の段階に現れる症状と考えられており、がん化した細胞が炎症を引き起こして、湿疹に似た赤いシミのような症状が現れます。日光角化症の原因は、紫外線によるダメージの蓄積とされています。
日光角化症
痛みやかゆみの症状はない場合が多く、肌の表面がカサカサしているのが特徴です。また、半年以上にわたって肌の赤みが引かない場合も注意が必要です。

これってシミ?と気になったら

顔を触りながら鏡を見ている女性
もし気になる症状があれば早めに皮膚科へ行き、適切な治療を受けましょう。今すぐに簡単な審断をしたいなら、以下のシミ審断でチェックをしてみませんか。所要時間3分程度の簡単な質問に答えるだけで、自分のシミタイプが分かります。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

炎症後色素沈着の場合:メカニズムから知ろう

シミのメカニズム
こちらでは考えられるシミの種類として上がった、炎症後色素沈着について解説します。シミ審断で当てはまった人もチェックしてみましょう。
肌に炎症が起きると、メラノサイト(表皮層内にあるメラニンを生成する細胞)が刺激され、メラニンを過剰に生成します。メラニンが肌の外へ正常に排出されず、内部に残ったまま長期間にわたり蓄積したものがシミに。洗顔やクレンジングなどで肌を強くこする、毛抜きでムダ毛を抜くなどで起こる軽い炎症でも、長期的に続くと炎症後色素沈着の原因になります。
炎症が治まるとメラニンの生成も正常となり、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)によってシミが徐々に目立ちにくくなります。改善にかかる期間の目安は、顔で約半年から1年、体で約1~4年です。

炎症後色素沈着の対処法

肌のお手入れをしている女性
正しい対処法を行うことがシミを目立ちにくくするための近道です。こちらでは、炎症後色素沈着を目立ちにくくするための対処法を解説します。

紫外線対策をする

シミに紫外線が当たると、目立ちやすくなるので注意が必要です。炎症した部分の色素沈着が悪化しないように、紫外線対策を心がけましょう。真夏以外でも紫外線が強い日が多いので、一年を通して紫外線対策を行うことが大切です。
日焼け止めを使用する場合、2~3時間おきに塗りなおすと効果的です。併せて日傘や帽子などの紫外線対策グッズを使用すると良いでしょう。また、可能であれば紫外線の強い時間帯を避けて外出することをおすすめします。

ターンオーバーを正常にする

肌の内側に蓄積したメラニンを外へ排出するには、ターンオーバーを正常に整える必要があります。ターンオーバーが乱れる原因には、加齢、不規則な生活、ストレス、間違ったスキンケア、喫煙などが挙げられます。ターンオーバーが乱れると、炎症後色素沈着以外にもさまざまな肌トラブルの原因に。生活習慣を見直してターンオーバーを正常にすることを心がけましょう。
体の内側からケアするには栄養素も大切と言えます。メラニンの生成を抑える働きがあるビタミンCを多く含む食品を摂取するのがおすすめです。ビタミンCを多く含む主な食品は レモン、キウイ、イチゴ、アセロラ、ブロッコリーなどがあります。

正しいスキンケアを行う

正しいスキンケアを行うことは、ターンオーバーを整える上でも大切です。肌をゴシゴシ擦るなど、誤ったスキンケアをするとシミを悪化させやすくなります。洗顔やクレンジングでは頬などに力を入れず、優しく行うように心がけましょう。マッサージを行うにしても、擦るのではなく指圧がおすすめです。
色素沈着の改善を目指すには、毎日のケアを継続する必要があります。洗顔後には化粧水、乳液、クリームを使ってしっかり保湿すること。使用する基礎化粧品は、美白有効成分が配合されたものがおすすめです。色素沈着を防いだり、メラニンの生成を抑制したりする効果が期待できます。

医療機関で治療をする

セルフケアで思うように効果が得られない場合は、医療機関で治療をする方法もあります。シミはいくつか種類があるため、茶色に見えても炎症後色素沈着でない場合も。気になるシミがある場合は、医師に相談するのがおすすめです。
医療機関では、シミの症状に合わせて薬を処方してもらえます。赤みの残る炎症後色素沈着の治療は、トラネキサム酸やビタミンCの内服、トラネキサム酸外用が一般的です。濃いシミはレーザー等で治療する場合もあります。

シミはシミ取りレーザーとセルフケアどちらで対策すべき?

シミは種類によって適切な対策方法が異なりますが、大きく分けて『シミ取りレーザー』と『セルフケア』の2つの方法があります。シミ・コンシェルジュが行ったシミ対策に関するアンケート調査では、以下のような結果となっています。

調査概要:シミ対策に関するアンケート調査
調査期間:2022年9月1日~2023年2月28日
調査人数:5,673名
調査方法:インターネット調査(株式会社メディプラス製薬)
シミを対策したい人の多くが、美白系化粧品などを使用してセルフケアでの改善を目指していることがわかります。つまりそれは、病院やクリニックで診てもらうことなく、シミの状態を自分で判断している人が多いということでもあります。

しかし、上記で紹介したように実はシミにはたくさんの種類があるため、正しいケアができていない可能性がございます。そのため、まずは『シミ審断』でご自身のシミを種類を特定し、種類に応じて効果が見込めるケア選びから始めましょう。

赤いシミは皮膚科で診てもらうのがおすすめ

顔に手を添えている女性
赤いシミの種類は自分で見分けるのが難しいため、早めに皮膚科を受診するのがおすすめです。合わせて紫外線対策や、ターンオーバーの促進など毎日の生活の中でできることを継続して行いましょう。
自分のシミの種類を簡単に知っておきたい人は、ぜひシミ審断を試してくださいね。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。

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