鼻の下のシミは肝斑? 特徴と見分け方を解説

頬にできるイメージの強い肝斑ですが、実は鼻の下もできやすい部位です。特にヒゲのようなシミができた場合は、肝斑である可能性が高いでしょう。ただし鼻の下にできるシミは、肝斑以外にもさまざまな種類があります。この記事では、鼻の下にできるシミの種類や見分け方、併せて鼻の下のシミの改善法と予防法を紹介します。

鼻の下のシミは肝斑の可能性が高いって本当?

鼻の下のシミ
鼻の下にシミや黒ずみができたら、始めに疑いたいのが肝斑です。まずは肝斑の特徴や原因を紹介しますので、自分のシミの状態と照らし合わせてみてください。

肝斑は顔の左右対称に発生するシミ

30代〜50代の女性を中心に多く見られるのが肝斑です。顔面の左右対称に発生するのが特徴で、褐色調のもやもやとぼやけた印象のシミが、比較的広範囲に現れます。

肝斑は鼻の下にも好発する

肝斑ができる場所として代表的なのは両頬の高い部分ですが、額やあご、鼻下にもできやすいとされています。肝斑は、どの部分にできたとしても基本的には左右対称に現れるため、特に鼻の下にできるとヒゲのように見えることも。もし今気になっている鼻の下の黒ずみが似た状態なら、肝斑である可能性が高いでしょう。

原因として有力なのは女性ホルモン

肝斑の原因ははっきりとは解明されていません。しかし発生するのは圧倒的に女性が多いため、女性ホルモンのバランスの乱れが関係していると示唆されています。
また頬の高いところや額など、骨に近い部分にできやすいことから、摩擦刺激も一因とされています。骨に近い部分の肌は、手の力がかかりやすいので、洗顔やスキンケアの際にこすらないように気をつけましょう。また紫外線は、悪化の引き金になるので要注意です。

肝斑じゃないなら?鼻の下のシミの種類と見分け方

シミの種類と原因
シミは大きく分けて6種類あります。鼻の下にできやすいシミの特徴をそれぞれ紹介しますので、鼻の下のシミや黒ずみが肝斑とは違うようであれば、発生した場所や症状によって見分けてみましょう。
まず肝斑と同じような場所にでき、鼻の下も好発部位となるのがそばかすです。形状に違いがあり、肝斑の場合はもやっとぼやけてヒゲのようにも見えますが、そばかすの場合は小さな斑点が散らばるように現れます。
この他、炎症後色素沈着と老人性色素斑も鼻の下にできる可能性がありま。炎症後色素沈着は、傷やニキビなどによる肌の炎症が治まった後に、色素沈着を起こしてできるシミです。そのためヒゲの自己処理を頻繁におこない、肌を傷つけてしまった人はできやすいと言えるでしょう。一方、老人性色素斑は、紫外線が主な原因となるため、顔などの日光が当たりやすい場所によく現れます。円形で境界線がはっきりしているのが特徴です。
なお、その他のシミの種類は下記の記事で紹介していますので、併せて確認してみてください。
また、今あるシミの種類を簡単に判別したい場合には、病院に行く前に、まずはシミ審断サイトでセルフチェックするのがおすすめです。以下のシミ審断では、いくつかの簡単な質問に応えるだけで今あるシミの種類が分かります。

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シミと間違いやすい鼻の下の黒ずみの正体は?

鼻の下に指を添える女性のアップ
鼻の下にできたシミのようなものは、汚れによる黒ずみである可能性もあります。クレンジングや洗顔で落としきれなかった皮脂やメイク汚れが毛穴の中に蓄積され、時間が経つと酸化して黒く変色します。鼻の下の他、小鼻や唇の下など、細かい部分は洗い残しやすいので気をつけましょう。
毛穴に蓄積した汚れが角栓になると、肌がザラつくことも。角栓は押し出さず、優しい力で丁寧に洗顔して、最後にしっかりと保湿をすることで改善します。

【改善】鼻の下のシミに効く種類別の対処法

鏡を見る女性
鼻の下にできたシミを薄くしたい場合には、種類ごとの対処が必要です。鼻の下にできる可能性があるシミの、種類別の改善法を紹介します。
シミは種類によって適切な対策方法が異なりますが、大きく分けて『シミ取りレーザー』と『セルフケア』の2つの方法があります。シミ・コンシェルジュが行ったシミ対策に関するアンケート調査では、以下のような結果となっています。

調査概要:シミ対策に関するアンケート調査
調査期間:2022年9月1日~2023年2月28日
調査人数:5,673名
調査方法:インターネット調査(株式会社メディプラス製薬)
シミを対策したい人の多くが、美白系化粧品などを使用してセルフケアでの改善を目指していることがわかります。つまりそれは、病院やクリニックで診てもらうことなく、シミの状態を自分で判断している人が多いということでもあります。

しかし、上記で紹介したように実はシミにはたくさんの種類があるため、正しいケアができていない可能性がございます。そのため、まずは『シミ審断』でご自身のシミを種類を特定し、種類に応じて効果が見込めるケア選びから始めましょう。

肝斑:薬の内服と生活習慣の改善をベースに

肝斑の改善に特に有効とされているのが、トラネキサム酸やビタミンCの内服です。皮膚科などでは、ハイドロキノンやトレチノインなどの外用薬が処方されることがあります。ただし、肝斑の大きな原因はホルモンバランスであると考えられるため、同時に生活習慣の改善をおこなっていくことも大事です。また洗顔やマッサージなどの際には強くこすらないようにするなど、摩擦の軽減にも努めましょう。

そばかす:レーザー治療が主となる

そばかすを改善したい場合には、皮膚科でのレーザー治療が効果的。レーザー治療は、そばかすなどシミができた場所に、マシンを使って直接レーザーの光を照射する治療法です。なお、そばかすは肝斑と併発していることもあるので、そういった場合にはトラネキサム酸などの内服も同時におこなう必要があります。

炎症後色素沈着:悪化させないことが肝心

炎症後色素沈着は、時間の経過とともに自然と薄くなる場合が多いですが、対処を間違うとなかなか消えず頑固なシミになってしまう可能性があります。まずは患部を触ったりこすったりしない、紫外線をなるべく避けるなど、悪化を防ぐのが第一です。
それでもなかなか薄くならない場合には、外用薬や化粧品などで対処をおこないます。トラネキサム酸、ハイドロキノン、トレチノイン、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)などが含まれている軟膏やクリームなどは、改善が期待できるとしてよく用いられます。併せてビタミンCの内服もおこなうとより効果的です。

老人性色素斑:化粧品での改善が期待できる

老人性色素斑は、化粧品によるセルフケアで改善する可能性があるシミです。改善に効果があるとされる成分はグリセナジーMK(オゾン化グリセリン)などで、その他の美白有効成分と言われているものは、すべて改善ではなく予防を目的としたものなので注意してください。
また皮膚科でのレーザー治療でも改善の可能性がありますが、ダウンタイムが必要であったり、思い通りの効果が出なかったりする場合もあるので、まずは化粧品で様子を見るのがおすすめです。
もし対処に困ったら、下記のシミ審断サイトを活用してみてください。いくつかの質問に答えるだけで、シミの種類の判別や対処法の確認ができます。 

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

【予防】鼻の下のシミを作らない・悪化させない方法

化粧品を持つ女性の手
新たなシミを作らない、今あるシミを悪化させないためには、改善と併せて予防もおこないましょう。顔や鼻の下のシミを防ぐ方法を紹介します。

紫外線対策は一年中欠かさない

シミができる最も大きな原因と言われているのが紫外線です。紫外線は、今あるシミを悪化させる要因にもなります。夏だけでなく冬も紫外線は降り注いでいるため、季節を問わず対策をおこなうことが大事。日焼け止めと一緒に、UVカット効果のあるファンデーションを使うのもおすすめです。

美白化粧品を活用する

日々のスキンケアには、美白有効成分が含まれた化粧品を取り入れると良いでしょう。美白有効成分は、シミの元となるメラニンの生成を抑えたり、排出を促したりする作用があるので予防に効果を発揮します。主な美白有効成分は、アルブチン、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、プラセンタエキスなどです。

なるべく刺激を与えない

傷やニキビなどができた場合は、むやみに触らないことが重要です。鼻の下のうぶ毛を自己処理するときは、よく剃れるカミソリと使って、同じところを何度も剃らないようにしましょう。また肌への直接的な刺激を抑えるだけでなく、スキンケアや食生活を見直して、そもそも傷やニキビを作らないよう心がけることも大切です。

鼻の下のシミに悩んだら、まずはしっかり見分けることから

鏡で肌を確認する女性
なるべく早く消したい鼻の下のシミ。せっかく対処を始めても、シミの種類に合った方法でないとなかなか効果が実感できません。鼻の下のシミが気になったら、まずは自分にできたシミがどの種類なのか見分けることから始めてくださいね。判別が難しい場合は、病院で相談する前にこちらのシミ審断でセルフチェックしてみましょう。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。

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