シミができやすい人の特徴はさまざまです。今はなくても、将来シミができないか不安になっている人もいるのではないでしょうか。早めから正しいケアを行えば、シミができにくい肌を目指すことが可能です。この記事では、シミができやすい人の特徴、できにくい肌になる方法、間違ったスキンケア、種類別の対策を解説します。
シミができやすい人の特徴
シミができやすい人には特徴があり、自分ができやすいのか知っておくことも、シミ対策する上で大切です。次の特徴に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
特徴①遺伝的素質がある
そばかすは遺伝が原因とされ、親にあると子どももできやすい体質と考えられます 。幼児からでき始める場合もあり、思春期にかけて増えていきます。個人差はありますが、思春期を過ぎると次第に薄くなる場合も。ただし紫外線を浴びると、そばかすやシミが濃くなる可能性があるので注意しましょう。
こちらのシミ審断サイトでは、気になるシミの種類をセルフチェックできます。
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特徴②肌が白い
シミの元になるメラニンは、紫外線ダメージから細胞を守るためにつくられます。色白の人はもともとのメラニン量が少ないため、紫外線を浴びると、防御反応が強く働く のが特徴。メラニンが過剰に生成されやすい体質です。
もともとのメラニン量は以下の表のように、紫外線を浴びた時の肌の状態で判断できます。スキンタイプⅠ~Ⅲに分けられ、数字が大きいほどメラニン量が多く、紫外線に対しても抵抗力がある肌 です。日本人に多いのはスキンタイプⅡです。
スキンタイプⅠ スキンタイプⅡ スキンタイプⅢ 肌の色味 色白 中間 色黒 1時間後 やや赤くなる やや赤くなる やや黒くなる 24時間後 かなり赤くなる やや赤いまま 黒くなる 1週間後 黒くならない 黒くなる 黒いまま メラニン量 少ない 中間 多い
その他、次の項目があてはまる人もシミができやすい人に該当します。
日常的に紫外線を浴びている
子どもの頃に外遊びが多かった
野外で行う部活に所属していた
特徴③肌が乾燥している
過剰につくられたメラニンは通常、ターンオーバー(細胞の生まれ変わり)とともに排出されます。しかし
肌が乾燥していると、ターンオーバーのサイクルが乱れがち に。メラニンの生成量に対して排出が遅れるため、シミができやすくなります。
また肌のバリア機能も低下するため、紫外線のダメージを受けやすくなります 。空気が乾燥する寒い季節はもちろん、夏の乾燥にも要注意。汗が出るので「うるおっている」ように感じ、保湿ケアがおろそかになることがあります。冷房の影響で乾燥しやすいので、夏も丁寧に保湿ケアをしましょう。
特徴④肌を触りすぎている
肌を触るクセがある、クレンジングの時などにゴシゴシ擦るといった人もシミができやすいです 。摩擦によって肌に刺激を与えると、メラニンが過剰に生成されやすくなってしまうためです。普段のスキンケアはやさしく行うように心がけましょう。
特徴⑤生活習慣が乱れている
睡眠不足や運動不足、栄養不足などはタ ーンオーバーの乱れにつながり、シミができやすくなります 。またタバコを吸うと、メラニンの過剰生成につながる活性酸素が発生するため、なるべく避けましょう。
シミができにくい肌になる方法
シミをできにくくするには、紫外線対策や生活習慣の見直しなどが重要になります。急にシミが増えた…とならないように、こちらで解説する方法を普段から心がけてシミを予防しましょう。
一年中日焼け止めを塗って紫外線対策をする
紫外線は天候関係なく、一年中降り注いでいるため、外出時は日焼け止めを塗るようにしましょう 。UVカット効果のある化粧下地やファンデーションを活用すると、メイクと同時に紫外線対策ができるのでおすすめです。
その他、帽子やUVカット効果のある衣類の着用、日傘をさすなどの対策もあります。また目からも入ってくる紫外線も、メラニンの生成を促す可能性がある*ので、UVカットのサングラスをかけるのもおすすめです。
*マウスによる研究結果 Keiichi Hiramoto, et al. Ultraviolet B irradiation of the eye activates a nitric oxide-dependent hypothalamopituitary proopiomelanocortin pathway and modulates functions of alpha-melanocyte-stimulating hormone-responsive cells, J Invest Dermatol 2003; 120 (1) : 123-7
しっかり睡眠をとる
睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になり、肌のターンオーバーが促進 されます。シミができにくい肌になるには、しっかり睡眠をとることも大切です。普段寝付きが悪い人は、以下のことを試してみてください。
寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのを控える
寝る前は照明を暗めにして、ストレッチをしてリラックスする
通気性のいい寝具や肌ざわり・着心地のいいパジャマを選ぶ
シミに良いとされる栄養素を摂取する
シミに良いとされる栄養素を摂取し、体の内側からケアをすることも大切です 。シミに良いとされる主な栄養素と期待できる効果は以下のとおりです。
栄養素 期待できる効果 含まれる食材 ビタミンC メラニンの生成を抑制。還元作用があり、濃くなってしまったシミを薄くする。 イチゴ、レモン、キウイ、アセロラなど ビタミンE メラニンの生成を促進する活性酸素の抑制。ビタミンCの働きをサポートする。 アボカド、ピーナッツなど ビタミンA 活性酸素の抑制。抗酸化作用などがある。 トマト、カボチャ、ほうれん草など
あなたは大丈夫?シミの間違ったケア
間違ったケアをすると、逆にシミができやすくなるので注意しましょう。こちらではシミの間違ったケアを紹介します。
スキンケアで肌を擦りすぎている
スキンケアで肌を擦りすぎると摩擦によるダメージから肌を守るため、メラニンが過剰に生成されてシミの原因になります。普段、次のようなことをしていたら見直してみてくださいね。
強い力でクレンジングする
洗顔後にタオルで擦る
化粧水をつける際にコットンで擦る
ちなみに、NHKのテレビ番組「ためしてガッテン」の「戻れ!シミの消えた肌 冬こそ徹底対策」の放送回で、顔のシミを消す方法が紹介されました。普段の生活で肌の摩擦をなるべく減らす生活を送ってもらう実験をした結果、どうなるかといった内容です。
結果はシミが消える前兆とまでは言えませんが、継続していくうちに摩擦によってできた茶色のシミが徐々に改善傾向になったようです。スキンケアやメイクの際は肌を擦らず、やさしく行いましょう 。
保湿が十分にできていない
肌の潤いがなくなり
乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線などのダメージを受けやすくなる ため、保湿はとても重要です。
化粧水で肌を潤すと、その後につける美白美容液もなじみやすくなります。最後に乳液やクリームで潤いを閉じ込めて逃がさないようにします。水分も油分もバランスよく補うことが大事 なため、メーカーが定める量を守って使いましょう。それでも潤いが続かない人は、クリームを追加して調整してみてください。
栄養が偏っている
シミばかり気にしすぎて栄養が偏ってしまうのは、肌にとって良くありません。シミに良いとされる成分以外に、肌細胞やコラーゲンの材料になるタンパク質を摂取しないと、肌の土台ができていない状態でのケアになってしまいます。
シミ対策の成果を出すためには、タンパク質も意識したバランスの良い食事を心がけましょう 。もし食事だけで難しい場合は、サプリメントでも摂取できます。
<種類別>できてしまったシミの対策
できてしまったシミは、種類によって対策が異なります。こちらでは、できてしまったシミの改善方法を種類別に解説します。
老人性色素斑
老人性色素斑の改善には、医療機関でのレーザー治療やフォトフェイシャル(光治療)といったマシンを使った治療が有効です。
レーザー治療 皮膚の浅い部分にあるシミなら、1回の施術でも改善が見込めます。ただし施術後、数日間はレーザーを照射した部分をシールで保護する必要があります。
フォトフェイシャル 1回の施術だけで改善するのは難しいですが、レーザー治療と比べて肌に負担が少ない方法です。
自宅でのセルフケアでは、最近注目されているシミケア成分
「グリセナジーMK (オゾン化グリセリン)」配合の化粧品での改善が期待できます 。ちなみに美白有効成分配合の薬用化粧品(医薬部外品)はあくまで予防であり、改善はできません。
老人性色素斑は、肝斑など他の種類のシミと併発しているケースもあります。間違った治療を行うと、シミの悪化につながる可能性があるので注意しましょう。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着は時間をかければ自然治癒することが多く、顔は半年から1年、体は1~4年ほどかけて薄くなります。
医療機関では
レーザー治療、フォトフェイシャル、トラネキサム酸やビタミンCの内服薬、トラネキサム酸の外用薬 といった治療が用いられます。
炎症後色素沈着も、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)配合の化粧品によるセルフケアで改善 する可能性 があります。
そばかす
そばかすには、医療機関でのレーザー治療、フォトフェイシャルが効果的 です。肝斑を併発している場合は、トラネキサム酸の内服薬を処方される場合もあります。そばかすの場合、セルフケアでの改善は難しい ため、医療機関での治療が基本となります。
肝斑
肝斑は老人性色素斑など、他の種類のシミを併発しているケースが多くあります。
レーザー照射で悪化する可能性 があるため、内服薬による治療が一般的です。
肝斑の治療では、色素沈着を抑制する効果があるトラネキサム酸の内服薬 が主に用いられます。その他、ビタミンCの内服薬やハイドロキノン外用薬などを併用する場合も あります。肝斑も化粧品での改善は難しいため、医療機関での治療が基本です。
シミができやすい人の特徴があるなら、正しい予防やケアを!
シミは加齢とともに増えやすくなります。特にシミができやすい人の特徴に当てはまる場合は、目立たないうちから正しいケアで予防していきましょう 。
今あるシミに悩んでいる人は、医療機関で受診を受ける前に簡単なセルフチェックを行ってみませんか。こちらのシミ審断サイトでは、3分程度の質問に答えるだけで気になるシミの種類を審断でき、対処法を知ることができます。
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監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長
・所属学会 日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/ 国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員 ・経歴 2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。 その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。 人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。
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