ほくろとシミの見分け方を医師が解説!違いを知って正しく除去

皮膚にできる斑点の中には、ほくろなのかシミなのか、見分けがつきにくいものがあるのではないでしょうか。特に顔にできた斑点は気になることも多く、正しい方法で対処したいものです。今回は、ほくろとシミの見分け方や、それぞれの除去方法について皮膚科医が解説します。

dr_ishikawa_profile

お話を伺った医師

Bella Beauty CLINIC 心斎橋院

院長 石川佳奈先生


藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)卒業。市民病院にて勤務後、大手美容クリニックにて美容外科、美容皮膚科の経験を積む。
2021年6月よりbella beauty clinic院長としてAGA治療・美容皮膚科に従事する傍ら、美容医療に関する記事の監修も多数行う。
日本美容外科学会、日本美容皮膚科学会、日本化粧品学会、医療アートメイク学会。

- Bella Beauty CLINIC 心斎橋院

ほくろとシミは何が違う?原因とできるしくみを解説

-ほくろもシミも「メラニンが沈着してできた斑点」というイメージがあるのですが、両者は何が違うのでしょうか?
どちらもメラニンが関係している点は同じですね。シミはメラノサイト(色素細胞)で作られたメラニン色素が肌に沈着した状態をいいます。一方ほくろは、メラノサイトが変化した「母斑細胞」が増殖して、かたまったものなんです。
ほくろの断面図
-「ほくろのようなシミ」や「シミのようなほくろ」と言うことがありますが、細胞レベルでは明確な違いがあるんですね!
はい。またほくろは、平坦なものとふくらみを持つものがありますよね。これは、母斑細胞が皮膚のどの層に増加しているかによって違ってきます。母斑細胞が深いところに存在しているほど、ほくろの盛り上がりは大きくなります。
Bella Beauty CLINIC 心斎橋院 院長 石川佳奈先生
-そもそも、ほくろができる原因は何なのですか?
ほくろには、先天性のものと後天性のものがあります。先天性のほくろは生まれたときから存在しているもので、原因は遺伝といわれています。大きさは人によってそれぞれですが、大型のものは悪性黒色腫(皮膚がんの一種)になるリスクが比較的高いので、注意が必要ですね。

後天性のほくろは、一般的なシミと同様に紫外線やホルモンバランスの影響でできると考えられています。

また、また加齢やストレス、生活習慣の乱れなどは、肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)の乱れにつながります。メラニン色素や母斑細胞の排出が滞ってしまい、シミやほくろが作られることにつながります。

ほくろとシミの見分け方、ほくろと間違いやすいシミの種類

ほくろとシミがある肌の画像
-ほくろとシミの見分け方について教えてください。
診断するときは色や大きさで見分けています。ほくろは、大きさが1mmから2mmくらいまでのものが多いですね。3mm以上になるとシミの可能性が高くなります。色はほくろの方が黒っぽくて濃く、シミは茶色っぽくなっています。

シミの種類ごとの見分け方

炎症後色素沈着とそばかすの画像
シミにはいくつか種類があるので、それぞれの特徴やできた背景と照らし合わせてほくろと見分けることもできますよ。

 

斑点ができる前に何か炎症が起きていた場合は、炎症後色素沈着である可能性が高いです。また幼少期からある小さな斑点で左右対称のものは、そばかすと判断します。ほくろは左右対称にはなりませんし、大人になって急にできることがあるためです。

特にほくろと間違いやすいシミ

脂漏性角化症の画像
シミの中でも、最もほくろと間違いやすいのが脂漏性角化症ですね。黒褐色のイボのようなシミで、中年以降の高齢者にできやすいシミです。盛り上がりのあるほくろと見た目が似ていることがありますが、色や硬さ、盛り上がり方の違いで見分けることができます。

 

ほくろの方が色が濃くて柔らかく、半球状にふくらんでいるのが特徴です。脂漏性角化症はほくろより硬く、ぼこぼことした感じになります。

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ほくろを除去する方法は?自分で除去できる?

ほくろの除去方法に迷う女性のイメージ画像
―ほくろを除去したいと思ったときは、どうすれば良いのでしょうか?市販のクリームなどのセルフケアで対処は可能ですか?
ほくろを作っている母斑細胞は、皮膚の表面ではなく深いところにあります。ですから市販の化粧品や医薬品で消すのは難しいでしょう。ほくろの除去を考える場合は、皮膚科や美容皮膚科、美容外科などのクリニックに相談してください。

クリニックでのほくろ除去

-クリニックでは、どのような方法でほくろを除去しているのか教えてください。
ほくろの除去はレーザーを用いて行います。レーザーにもいくつか種類があって、メラニンのみを破壊するものや、深いところにある色素を取り除けるものなどがあります。盛り上がりがあるほくろは、炭酸ガスレーザーを使うのが一般的です。

 

レーザーでの治療法においては、ほくろもシミも同じです。患部の状態によって、医師の判断でレーザーの種類を使い分けて治療します。

ただしクリニックによって導入しているレーザーの種類が異なるので、ほくろの種類によっては対応できない場合があります。自分のほくろやシミに対応できるレーザーがあるクリニックなのか、ある程度下調べをした上で選ぶのもひとつでしょう。

Bella Beauty CLINIC 心斎橋院 院長 石川佳奈先生

ほくろ除去治療を受ける際の注意点

-クリニックでほくろ除去治療を受ける上で、注意すべき点はありますか?
ほくろは根深いので、1回のレーザー治療では取り切れないことが多いです。複数回の治療が必要であることを、まず念頭に入れておきましょう。

 

一見きれいになったように見えても、増殖している母斑細胞を除去し切れないと、再びメラノサイトが活性化され、再発したように見えることもあります。しっかりと除去するようレーザーを当てる場合、皮膚に凹みができてしまうリスクがあることも知っておいてくださいね。

再発しにくくするための飲み薬や塗り薬等もあるので、医師と相談の上、使用するのも良いでしょう。

-頭皮や眉毛の部分にできたほくろにも、レーザーを当てることは可能ですか?
可能です。ただし毛が抜けてしまうリスクがあります。
-ほくろ除去治療を受けた後はどんな注意が必要ですか?
ほくろに限らずシミも同様ですが、レーザー治療後は必ず炎症になります。炎症が起こっているときに紫外線を浴びたりこすったりすると、炎症後色素沈着になりやすいので、ステロイド剤を塗ったり日焼け止めをしっかり使ったりして、炎症を悪化させないようにケアを行いましょう。

 

ビタミンC誘導体配合の化粧品も、予防には効果的です。

ほくろのようなシミを消す方法

スキンケアクリームの画像
-ほくろではなくシミであれば、セルフケアで薄くできる可能性はありますか?
市販の美白化粧品(医薬部外品)はできてしまったシミを消すものではなく、予防に使用するものです。ただし肝斑の場合は、薬局で購入できる飲み薬が出ているので、薄くすることが期待できるでしょう。具体的には、炎症を抑えるトラネキサム酸や、代謝を上げるビタミンE、メラニンの生成を抑制するビタミンCなどが含まれる飲み薬です。

 

また紫外線や加齢によるシミ(老人性色素斑)や炎症後色素沈着も、クリニックでトレチノインやハイドロキノンの塗り薬を処方してもらえば、自宅で使用しながらシミを薄くできる可能性は高いです。肝斑の場合は飲み薬と併用することをおすすめします。

-クリニックに通うと、どのようなシミ治療が受けられるのでしょうか。
レーザー治療の他、美白剤が入ったピーリングやトーニングなどで、ターンオーバーを促進する治療を行います。そうした処置と、飲み薬や塗り薬を併用することで効果を高めることが可能です。

 

また最近はクリニック専用の化粧品も、シミに対して高い効果を発揮するものがあります。そうしたものを続けて使うことでお肌をきれいにすることができますよ。

治療法は様々な選択肢がありますので、「いつまでにキレイになりたいのか」という期間や予算を決めておくことも大切です。手間と続けやすさなどを確認した上で、自分に合った方法を選択すると良いでしょう。

ほくろやシミができやすい人ってどんな人?

日差しを浴びる女性の画像
-ほくろやシミができやすい人の特徴はありますか?
遺伝により、生まれつきメラノサイトが活性化しやすい肌質を持っている人は、ほくろやシミができやすい体質といえます。

 

また先ほども述べたように、ほくろやシミには紫外線やホルモンバランスが影響しています。よく日焼けをしている人やストレスを溜め込みやすい人、睡眠不足で成長ホルモンがあまり出ていない人などは、できる可能性が高くなります。

私自身は、必ず8時間は寝るようにしています。10時間寝てしまう日もあるんですよ(笑)。

-普段のスキンケアではどんなことに注意したらいいですか?
化粧品をつけるときに肌を強くこすっていたり、保湿には重点を置いているけれどUVケアができていなかったりする人は、ほくろやシミができやすくなります。

 

スキンケアの基本は、「きちんと落とす」「しっかり保湿する」「紫外線予防」「摩擦を起こさない」の4点です。

メイクや汚れは必ずその日のうちに落とし、乾燥しないよう保湿し、短時間の外出でも日焼け止めを塗りましょう。肌を摩擦するとメラノサイトが活性化してしまうので、化粧品は塗り込まず、抑え込むようにしてつけてくださいね。

スキンケアをしている女性の画像
-先生ご自身は4つの基本以外に、どんなスキンケアを取り入れていますか?
ピーリング剤が入っている化粧水や洗顔料を使っています。余分な角質をしっかり落として、ターンオーバーを促すことを意識しています。

聞いておきたい! ほくろとシミの素朴な疑問

-シミがほくろに変化するケースはありますか?
ほくろの周りにシミができることはありますが、シミがほくろに変化することはありません。ただし、ほくろも摩擦の影響を受けるので、頻繁に触っていると大きくなる可能性はあります。気になっても触らないよう注意しましょう。

ほくろやシミの対策を始めるベストタイミングは?

Bella Beauty CLINIC 心斎橋院 院長 石川佳奈先生
-ほくろやシミの対策をするのに、適した時期はありますか?
ほくろもシミも、気になる本人にとっては深刻な問題であることが多いです。ただ、多くのものはクリニックでの治療で改善できますので、ぜひ一度相談されることをおすすめします。治療をするなら、少しでも若いうちに行うのが効果的です。年齢を重ねるとトラブルも複雑化していくので、「治療したい」と思ったら早めに専門家に相談し、対策を始めましょう。

自分のシミの種類は? スマホで審断!

~編集部より~
ほくろとシミは似ているようで、細胞レベルでは違った状態であることがわかりましたね。ほくろもシミもなるべく早めに、適切な方法をとることが肝心。まずはシミ審断で、自分のシミを知ることから始めてみませんか?

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シミ審断では以下のようなチャートでお持ちのシミを判定します。
また、お持ちのシミごとに皮膚科医がケア方法を解説してくれます。
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Bella Beauty CLINIC 心斎橋院 院長 石川佳奈先生

藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)卒業。市民病院にて勤務後、大手美容クリニックにて美容外科、美容皮膚科の経験を積む。
2021年6月よりbella beauty clinic院長としてAGA治療・美容皮膚科に従事する傍ら、美容医療に関する記事の監修も多数行う。
日本美容外科学会、日本美容皮膚科学会、日本化粧品学会、医療アートメイク学会。

- Bella Beauty CLINIC 心斎橋院