マスクで肌荒れ…摩擦などの原因とシミをつくらない予防策を医師が解説

近年マスクをつける機会が増え、それと同時に肌荒れやシミが気になり始めたという人は少なくありません。大きな原因はマスクをつけることで起こる肌との摩擦ですが、他にも乾燥やムレなど意外なことが原因となっている可能性も。本記事では、マスクの着用によって引き起こされるシミや肌荒れの原因と、予防・対策について解説します。

マスク生活でシミが増えた?

顔の前にマスクを掲げる女性
コロナ禍で外出を控え、例年よりも紫外線を浴びていないはずなのに最近シミが増えた、濃くなったと感じる人が多くなっています。実はその原因の1つに、マスクをつける時間が長くなったことが挙げられます。いったいなぜマスク生活がシミや肌荒れの原因となるのか、詳しくみていきましょう。

マスクが原因でできるシミを解説

鏡を見ながらマスクを外す女性
マスクをつけているからと、日々のケアが少しおざなりになっていませんか?マスクがシミの原因となる理由は、摩擦などの直接的な原因以外にもあります。考えられる原因・理由を紹介します。

摩擦によるシミ

マスクが直接肌にあたる部分は、摩擦による刺激から肌荒れが起きやすく、シミも例外ではありません。マスクとの摩擦によって肌が炎症を起こし、炎症部の変色がなかなか消えない炎症後色素沈着という種類のシミができる可能性が高まります。また摩擦を受けると紫外線を浴びた時と同じように、肌を守ろうとしてシミの元となるメラニンが大量に生成されるため、よりシミができやすい環境になっていることも考えられます。
さらにマスクの摩擦で肌が荒れた部分は、肌の表面にある角質が削られバリア機能が低下し、より刺激を受けやすい状態。人によっては赤みや痛みを生じることもあります。

乾燥によるシミ

マスクをつけている間は湿度が高まりますが、外すと一気に蒸発し急激な乾燥が起こります。乾燥も肌のバリア機能を低下させるため肌が荒れやすくなり、かゆみや湿疹を引き起こす場合も。そしてそのまま乾燥状態を放置すると肌が炎症を起こし、炎症後色素沈着の原因となります。

ムレによるシミ

マスクの内側は吐く息などで温度と湿度が上がり、雑菌が増えやすい環境になっています。これは特に湿疹や吹き出物などのぶつぶつができる原因に。そしてムレてデリケートになっている肌を放置すると炎症も起こしやすく、こちらも炎症後色素沈着ができる可能性が高まります。

紫外線によるシミ

あらゆるシミのきっかけとなる紫外線は、マスクだけで完全に防ぐことはできません。マスクをつけているからと紫外線対策を怠ってしまうことも、マスクをつけ始めてから急にシミが増える、濃くなる要因の1つ。しっかり日焼け止めを塗っていたとしても、摩擦やムレによりいつもより落ちやすくなっているので注意が必要です。
このようにマスクはさまざまなシミの原因となり得ます。できてしまったシミは種類に合ったケアを行うことが大切です。まずはあなたにできたシミはどの種類か、シミ審断でチェックしてみましょう。以下の審断ページでは、いくつかの簡単な質問に答えるだけで今あるシミの種類や対処法が分かります。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

【予防】シミを作らないために気を付けたいマスク着用の注意点

両手でマスクを持つ人の手
マスクの着用が原因となるシミ・肌荒れは、日々の少しの心がけで防げます。誰でもできる肌に優しい予防法を紹介しますので、ぜひできるものから取り入れてみてください。

肌に優しいマスクを選んで刺激を減らす

シルクやコットン素材のマスクは、肌当たりが良く通気性に優れているので、摩擦やムレを軽減するのに役立ちます。感染拡大防止に推奨されている不織布マスクを使用する場合は、まめに取り替えて清潔に保つよう意識すれば肌への負担を減らせます。不織布の肌当たりが気になるなら、マスクの内側にガーゼを挟んだり、コットンなどでできたマスクフィルターを使用したりすると良いでしょう。マスクにメイクや汚れが付くことも防げるのでより清潔に保ちやすくもなります。
またマスクの形状は主に平面・立体・プリーツ型の3種類ありますが、摩擦を減らすには立体型がおすすめ。立体型は口元に隙間ができるので、肌に触れる面が少ないのが理由です。加えてマスクのサイズが小さいと肌に負担がかかりやすいので、なるべくぴったりのサイズのものを選ぶようにしてください。

擦れが気になる箇所にはワセリンなど保護できるものを塗る

マスクによる摩擦や乾燥の刺激を減らすには、擦れが気になる部分にワセリンやクリームなどを塗って保護するのが効果的です。ただし塗りすぎはかえってニキビなどの原因となるので、適量を守りましょう。ワセリンの場合だと米粒大、クリームの場合はパール1粒分程度が目安になります。
肌に塗る際も、肌へ刺激を与えないよう擦らず優しく丁寧に。その他、敏感肌の人は成分にも注意が必要です。ワセリンを使う場合は「白色ワセリン」と呼ばれる精製度の高いものの方が安心して使えます。

マスクをつけていても紫外線対策は忘れずに

マスクをつけていても紫外線対策は必須です。特に直接マスクと肌が触れる鼻や頬などの高い部分は日焼け止めが落ちやすいので、日焼け止めは重ね塗りが肝になります。さらに上からパウダーなどを重ねると、より落ちにくくなります。
またマスクの内側はムレで日焼け止めが落ちやすい状態なので、こまめな塗り直しも重要です。ただし、既に肌荒れが起きている場合は無理に塗り重ねずに、帽子や日傘などを使用して日焼け止め以外の方法でUV対策をおこないましょう。

マスク生活だからこそ丁寧なスキンケアを

マスクによる刺激で低下した肌のバリア機能を整えるには、丁寧なスキンケアが必要です。なかでも意識したいのは保湿。特にマスクの当たる口周りには重点的にクリームを塗るようにしてみてください。日焼け止めを塗る前にも、化粧水などでたっぷり保湿をおこないましょう。クレンジングの際には、なるべく刺激を与えないよう優しく洗うのが大事です。

【対策】できてしまったシミへの対処法

化粧品を持つ女性の手
マスクと肌の摩擦によってできたシミは、皮膚に炎症が起きたあとにできる炎症後色素沈着や、肝斑の悪化である可能性があります。炎症後色素沈着の場合、シミに有効な成分が配合された化粧品で改善が可能です。その他のシミは、種類によって効果的な対処が異なります。主な対処法は化粧品の使用やレーザー治療・薬の内服などがあります。 なお、シミの詳しい対処法については、下記の記事で解説していますので併せて確認してくださいね。
また、できたシミの種類がわからない場合には、まずはシミ審断でシミタイプを見分けることから始めるのがおすすめです。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

マスク生活が続くからこそ、顔のケアに気を遣おう

笑顔でスキンケアをする女性
まだしばらくは続くであろうマスク生活。マスクは肌を守ってくれるのかと思いきや、反対にシミや肌荒れの一因となってしまうことがあります。マスクをつけているからと気を抜かず、今一度スキンケアを見直してみてはいかがでしょうか。
また日々しっかりと予防・対策をおこなっているのに改善がみられないといった場合は、もしかするとシミの種類に応じたケアができていないかもしれません。もし対処に困ったら、まずはこちらのシミ審断でシミタイプや対処法を判別してみましょう。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。

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