急に頬にできたシミに気づいたら、病気かどうか心配になることもあるでしょう。しかし頬はシミができやすい部位なので、急にできてもおかしくはありません。この記事では、頬に急にシミができる原因と考えられる種類、できてしまったシミを薄くする方法、シミを放置した場合に起こり得ることを紹介します。
急に頬にシミができた...もしかして病気?
急にシミが増えたら病気を疑いますよね。心配事を先送りせず、すぐに調べたあなたならきっと大丈夫!シミにはいくつかの種類があり、誰にでもできる可能性があります。そして急にできることも珍しくありません。まずはそれぞれの原因や特徴をチェックして、どの種類に当てはまるのか、病気の可能性はあるのか見分けることから始めましょう。
頬のシミが急に増えた時に考えられる原因と種類
シミができる最も大きな原因は紫外線ですが、他にも考えられることはいくつかあります。ここでは、頬にシミができる原因や、可能性が高いシミの種類を画像付きで紹介します。気になるシミの状態と見比べてみましょう。
紫外線や加齢が原因となる『老人性色素斑』
シミといえば、一般的には老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)を指します。紫外線や加齢が主な原因となるシミです。
肌は紫外線のダメージを受けると、シミの元となるメラニンを過剰に生成。さらに加齢によって肌のターンオーバーが遅れると、メラニンが排出されにくくなり、シミができやすくなります。特に
「若いころよく日焼けをしていた」という人は、メラニンを作る色素細胞が刺激を受けやすい状態に。短時間紫外線を浴びただけでもシミができてしまうことがあります。
また睡眠不足や運動不足、栄養の偏りなど、生活習慣の乱れも、ターンオーバーを遅らせる要因となるので要注意です。
老人性色素斑の特徴
- 大きさにはバラつきがあるものの、黒っぽく境界線がはっきりとしている
- 紫外線が当たる場所なら、顔以外にも体のどこでもできる可能性がある
- 頬の場合は、片方だけにできたり、たまたま左右対称にできたりするケースも見られる
老人性色素斑は、年齢を重ねるごとにできる可能性が高まります。ですが、紫外線をよく浴びる人なら20代から急にできることも珍しくありません。紫外線から肌を守りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
ホルモンバランスが影響する『肝斑』
肝斑(かんぱん)は、ホルモンバランスが変化しやすい30代~40代ごろに、急に気になり始める女性が多いのが特徴です。これらの傾向から、女性ホルモンのバランスの乱れが影響していると考えられています。
肝斑の特徴
- 頬に左右対称にできる
- モヤモヤとした薄茶色をしている
- 色素異常の病態ではあるが、病気ではない
妊娠や出産・ピルの服用など、ホルモンバランスが大きく変化する要因があれば、20代でもできる可能性があります。また、精神的・身体的なストレスによるホルモンバランスの崩れが引き金になったり、紫外線によって悪化したりすることもあります。
肌荒れの後にできやすい『炎症後色素沈着』
肌荒れやニキビ・傷・やけどなどのさまざまな要因で肌に炎症が起こると、メラニンが過剰に作られることがあります。炎症が治まった後にメラニン色素が沈着を起こしたものが、炎症後色素沈着です。スキンケア時の摩擦も、積み重なると軽い炎症を引き起こす要因となり、シミにつながるおそれがあります。
炎症後色素沈着の特徴
- 年齢・性別は関係なくでき、顔・体のどこにでもできる可能性がある
- 頬は肌荒れやニキビなどで炎症を起こしやすく、できやすい部位と言える
- 時間経過とともに自然に消えることが多いが、顔は半年〜1年、体は1〜4年ほどかかる
早く改善したい場合やなかなか改善がみられない場合は、シミケア化粧品や内服薬での改善を検討するのがおすすめです。
シミの種類を簡単に見分けるには、こちらのシミ審断を活用してみてください。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
急にできた頬のシミを薄くする方法
セルフケアや皮膚科での治療など、シミを薄くする方法はさまざまあります。ですが、シミの種類によって効果的な対策は異なります。シミの主な改善方法と、効果が期待できるシミの種類を紹介します。それぞれのメリット・デメリットにも触れていますので、自分に合った方法を探してみましょう。
シミに効果のあるスキンケアを取り入れる
老人性色素斑と炎症後色素沈着は、スキンケアでの改善が期待できるシミです。ハイドロキノン配合の化粧品のほか、
グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)のような先進の美容成分が含まれた化粧品も登場しています。グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)は、
第三者機関でシミの改善効果が確認されている成分です。
・メリット
手軽で続けやすい
・デメリット
改善まで数ヵ月かかることがある
肌の摩擦は炎症につながるため、スキンケアの時に力を入れすぎないことも大切です。
なお、シミ対策としてよく挙げられる「美白有効成分」は、あくまでも予防を目的とした成分です。化粧品ではなく薬用化粧品(医薬部外品)に分類されているので、選ぶ際はよく確認しましょう。
飲み薬を処方してもらう
肝斑の改善には、トラネキサム酸の内服が効果的とされています。主にメラニン色素の生成を抑える働きをする飲み薬です。市販もされていますが、安全に使用するには皮膚科などを受診して処方してもらうのがおすすめです。
・メリット
肝斑には特に高い効果が期待できる
・デメリット
まれではあるが、食欲不振・胸やけ・嘔吐などの副作用が現れることがある
トラネキサム酸の内服と併せて、ホルモンバランスが整うような生活習慣を心がけていきましょう。飲酒やタバコを控える、野菜を中心としたバランスの取れた食生活を意識する、などです。
また、適度な運動は自律神経のバランスを整えるため、ホルモンバランスも整うとされています。エレベーターではなく階段を使って日常生活に簡単な運動を取り入れるなど、できることから始めてみてください。
また肝斑も、肌の摩擦は悪化要因になります。スキンケアは優しく行うことに加えて、むやみに肌を触らないようにしましょう。
なお、トラネキサム酸の効果や副作用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
レーザー治療を受ける
老人性色素斑と炎症後色素沈着に対しては、皮膚科などで行われているレーザー治療も有効です。シミに直接レーザー光を照射する治療法で、照射中は痛みを感じることもあります。一回で改善が見られることもあれば、シミが濃いと複数回治療が必要になることもあります。
・メリット
早く効果が現れやすい
・デメリット
治療後、肌が落ち着くまでに2週間ほどダウンタイムが必要になる
なお、肝斑は反対に悪化させてしまう可能性があるので見極めが必要です。まずはしっかりと医師のカウンセリングを受けましょう。
シミの改善方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
受診すべき?急に頬にできたシミを放置した場合に起こり得ること
シミは放置していると悪化してしまったり、病気が隠れているのに気づかず治療が遅れたりしてしまう可能性があります。シミを放置した場合に起こり得ることや、どんな場合に受診を検討すべきか解説します。
シミは対策しないとどんどん悪化する
シミができている部位は、メラニンを作る色素細胞が過敏な状態になっています。そのため何の対策もしないと、シミがどんどん濃くなったり大きくなったりするほか、新たなシミも増える可能性があります。
さらに、長年紫外線を浴び続けると「脂漏性角化症」という老人性のイボに発展するおそれも。こうなるとセルフケアでは改善できないので、早めの対策が大事です。
どんな場合に受診を考えるべき?
シミが盛り上がっている、でこぼこしているなら先述の「脂漏性角化症」というイボ、うろこ状やかさぶたのようになっているなら「日光角化症」という病変の可能性が考えられます。他にも、以下のような症状が現れたら、シミと似た皮膚の病気が隠れているかもしれません。まずは受診を検討するのがおすすめです。
- 突然大きなシミができた
- 急激にシミが増えた、濃くなった、大きくなった
- 皮膚がかさかさしている
急にできた頬のシミも早めの対策で改善できる
頬にシミができることは少なくありません。頬のシミに気づいたら、焦らずにまずはしっかりと種類を見分け、
種類に合った対策を行うのが大事です。
急激な変化や異変を感じた場合には、受診も視野に入れると良いでしょう。
病院に行く前にシミの種類をセルフチェックしたい場合は、こちらのシミ審断を活用してください。いくつかの質問に答えるだけで、自分にできたシミのタイプや対処法を知ることができます。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長
・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。
- 【 医療法人社団禅銀座禅クリニック】あなたの美のかかりつけ医に