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シミの種類

2022.04.05

更年期に増えたシミは薄くできる?美容皮膚科医に聞く治療法

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更年期になると体や心とともに、肌にも不調が表れ、シミが増えたように感じる人も多いのではないでしょうか。更年期はシミの増加とどのように関係があるのか、更年期に増えたシミを治すことはできるのか、皮膚科医が解説します。皮膚科医自身が行っているシミ対策や美肌法も、ぜひチェックしてみてください。

六本木スキンクリニック 院長・医学博士 鈴木稚子先生

六本木スキンクリニック 院長・医学博士 鈴木稚子先生

1994年東京慈恵会医科大学医学部卒業後、同大学皮膚科学教室、国立大蔵病院皮膚科臨床研究部を経て、2017年に六本木スキンクリニックを開院。
日本皮膚科学会正会員、日本抗加齢医学会、日本赤十字医療センター登録医、日本医師会スポーツ認定医、日本温泉気候物理医学会、温泉療法医、日本旅行医学会認定医、トータルアンチエイジング研究会副会長、
日本アンチエイジング外科、美容再生研究会登録医。

更年期にシミが増える理由とは?基礎知識の解説

-そもそも更年期とは、何歳くらいのことを言うのですか?
更年期とは、女性の閉経前後の数年間を指します。平均閉経年齢は53歳といわれていますが個人差があって、40代で迎える人もいれば、50代後半になってから訪れる人もいるんですよ。
生理がなくなり、ホルモンバランスが変化するので、体や心に不調がでる人が多いですね。でもその症状は人により、汗をかきやすくなる、イライラしやすくなるなどさまざまです。
六本木スキンクリニック 院長・医学博士 鈴木稚子先生

更年期に起きる肌の変化

-更年期のホルモン変化は、肌にどのような影響を与えるのですか?
更年期になると、皮膚をなめらかにしてくれる女性ホルモンのエストロゲンが減少するので、肌のハリや弾力が失われていく傾向にあります。乾燥しやすくなり、シワができやすくなったり、人によって表皮が薄くなって敏感になり、ヒリヒリ感じたりすることもあります。
また、皮膚表面が薄くなることでメラニン色素が目立つようになったり、ターンオーバーが乱れることでメラニン色素が排出されにくくなったりする場合もあります。

更年期にシミが増えやすい人の特徴

更年期に限らず、若いときによく日焼けをしていた人は、年齢を重ねるとシミができやすいですね。
外部からの刺激を受けた肌は、色素細胞(メラノサイト)がメラニン色素を過剰に生成して、肌内部を守ろうとします。通常であれば、刺激を与える行為を止めれば、メラニン色素の生成量は元に戻ります。

ところが紫外線をたくさん浴びてきた肌の細胞は、刺激に反応しやすくなっているんです。そのため洗濯物を干すときにちょっと紫外線を浴びたり、エアコンで肌が乾燥したり、少しの刺激を受けるだけでもメラニン色素が作られやすいという特徴があります。
若いときはメラニン色素がたくさん作られても、正常なターンオーバーで体外に排出されるんです。でも年齢とともに代謝のリズムが遅くなるので、必然的に排出されにくく、肌に蓄積しやすくなります。
睡眠不足や不規則な食生活などもターンオーバーに悪影響を及ぼすので、生活習慣が乱れがちな人はシミが増えやすいといえます。
紫外線が降り注ぐ快晴の日

更年期に多いシミの種類

-更年期にできやすいシミはありますか?
シミにはさまざまな種類がありますが、更年期にできやすいのは加齢によるシミである「老人性色素斑」です。他にも、キズや吹き出物などの跡残りがシミになる「炎症後色素沈着」、女性特有の「肝斑」などもできやすくなります。

どのシミも、更年期で増える主な原因はターンオーバーの乱れです。老化に加え、ホルモンバランスの変化で代謝が落ちることにより、皮膚に蓄積されたものが排出されずにシミになっていきます。

代表的なシミ6種の原因と、更年期でできたシミへの対処法について

-更年期でできてしまったシミのケア方法を種類ごとに教えてください。

老人性色素斑

老人性色素斑
紫外線や摩擦など、肌への刺激によってメラニン色素が生成され、それが蓄積してできるのが老人性色素斑です。一度できてしまうと自分で治すのは難しいので、日頃のケアで予防することが大切です。
日焼けを防ぐため外出時には日焼け止めを塗ったり、帽子やサングラスなどのアイテムを使用したりして、紫外線を浴びすぎないよう気をつけましょう。
また、毎日の洗顔で肌を清潔に保つことも大切です。化粧品や汚れが長時間ついていると、酸化して肌を刺激するためです。乾燥しやすい人は洗顔後しっかりと保湿をして、肌のバリア機能を維持するよう心がけてくださいね。
老人性色素斑ができてしまったときは、なるべく早くクリニックに相談することをおすすめします。できてから日が浅ければ、治療と日々のケアで改善しやすいですよ。間違ったケアで悪化させないためにも、気になったら一度受診してみましょう。

肝斑

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30代~40代頃増えてくる肝斑は、更年期になっても自然と減るわけではありません。肝斑にも種類があり、ぼんやりした状態のものは化粧品や市販の飲み薬などでやや薄くなることはありますが、放っておくとどんどん濃くなります。
ただし、年齢とともに徐々に肝斑ができにくくなることはあります。肝斑には女性ホルモンが大きく関係していると言われていて、更年期になると女性ホルモンが減少するためです。ケアや治療により薄くすることができていれば、更年期を過ぎる頃から肝斑が減っていく感覚を受けるかもしれません。
境界がぼんやりしたものでなく、くっきりした斑点の場合、肝斑であるかを見極めるのは医師でも簡単ではありません。
ケアをしても改善しない場合は、医師の適切な指導のもと飲み薬(トラネキサム酸やビタミンC、ビタミンE)や塗り薬(ハイドロキノン)などを使用して対処するのが良いでしょう。

炎症後色素沈着

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吹き出物やキズ、やけどなど、炎症後の跡が茶色くなってシミになる炎症後色素沈着は、できてから1ヶ月程度であれば飲み薬や塗り薬、スキンケアで改善することが可能です。
刺激が加わって炎症を繰り返すと濃くなることもあるので、時間が経つ前にしっかりと対処しましょう。

そばかす

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そばかすは遺伝によってできる小さな斑点のようなシミです。若いうちにできるものなので、更年期で増えたり濃くなったりすることはありません。
改善するにはレーザーやフォトフェイシャルなどの治療が必要です。

後天性メラノサイトーシス

後天性メラノサイトーシス
大人になってからできる、シミのように見える小さなつぶつぶは後天性メラノサイトーシスというあざです。原因は遺伝といわれており、更年期で増えることはありません。レーザー治療で改善することができます。

脂漏性角化症

脂漏性角化症
皮膚にザラザラした盛り上がりができる老化のイボが脂漏性角化症です。繰り返し肌への刺激が加わる場所にできやすく、ターンオーバーの乱れによってできることが多いです。
レーザー治療が効果的です。
皮膚科を受診する前に、スマホでシミのタイプをチェックすることもできます。

更年期のシミを改善するために大切なこと

栄養バランスのいい食事をとる女性
皮膚も臓器の一部なので、健康的な生活を送ることで良い状態を保つことができ、シミができにくくなります。睡眠を十分にとる、栄養バランスの良い食事をとる、適度に運動してストレスをためないようにするなど、体調が整うような習慣を心がけましょう。

できてしまったシミをケアしたいときは、シミの種類を見極めて効果的な方法を選ぶことが大切になります。例えばレーザーを当てる場合でも、シミの種類によって選ぶレーザーの種類が異なります。医師に相談して、シミの種類に応じた対処を行うようにしましょう。

特に老人性色素斑と肝斑が併発すると、本来レーザーで消しやすいはずのシミが消えにくくなることがあります。肌質によって効果的なアプローチ法が変わったり、体質によって使える薬も違ったりします。経過を見ながら治療を進める必要があるので、信頼できる医師に継続的に診てもらうようにしてください。

市販の化粧品でケアをする場合はビタミンCやプラセンタ、レチノールなどの成分が配合された製品が、シミ対策に効果的です。ただし医薬部外品の美白アイテムはすべて予防ケアになります。クリニックではさらに効果が高い成分が入った化粧品を処方してもらえることもあるので、必要に応じて相談してみると良いでしょう。

皮膚科医が解説する、更年期のシミでよくある疑問

六本木スキンクリニック 院長・医学博士 鈴木稚子先生

漢方と更年期のシミについて

-漢方を用いたシミ治療は効果がありますか?
漢方の考えでは、シミの原因は体内にあり、血のめぐりが滞ることでシミができるとされています。血のめぐりが良くなると、栄養が体全体に行き渡り、ターンオーバーが促されます。細胞が生まれ変わり、代謝によってメラニンが排出されるのでシミができにくくなるという理屈です。

血が滞りやすくなる体質を、漢方では「瘀血(おけつ)体質」と呼んでいて、それを改善する漢方があります。え性や肌荒れ対策にもいい漢方として、若いうちから取り入れている女性もいますよ。体質に合っているとシミに効く場合もありますが、個人差があります。また、更年期だからと言って取り入れても、シミに対して直接的な効果が期待できるわけではありません

気になる体のシミと更年期の関係

-体のシミが増えることも、更年期と何か関係があるのですか?
更年期だからと言って必ず増えるわけではありませんが、やはりターンオーバーが遅くなることによって、紫外線による刺激を受けやすい手の甲や、下着などの締めつけや摩擦を受けやすい箇所などに、シミやくすみが増えてくる傾向はあります。

シミが再発するという、よくある勘違い

「シミや肝斑は治りますか?」という質問をよく受けますが、「治る」という表現の捉え方が違っている人が多いような印象です。

今見えているメラニン色素は、人によって改善する速さは異なりますが、治療を続けていけば必ず消すことができます。ただし、一度シミができているところの細胞は、そもそもメラニン色素を作りやすい状態になっているので、一度消してもまた出てくるんです。

これに対して「再発するから治療をしても意味がない」と言う人もいますが、仮に全く手を打たなければシミはどんどん濃くなっていきます。治療で薄くすることは無駄ではありませんし、一度治療を行えば、その箇所を集中的にセルフケアして、メラニン色素を作りにくくすることは可能ですよ。

シミケアは継続的に根気よく行う必要があると、知っておいてくださいね。

必見! 皮膚科医自身が行っているシミ対策

六本木スキンクリニック 院長・医学博士 鈴木稚子先生
-最後に、先生ご自身が行っているシミ対策や美肌法を教えてください。
日常的に日焼け止めを塗る、摩擦をできるだけ避ける、肌につけたものはできるだけ早く落とすという基本的な予防法を、徹底して行っています。髪の毛が顔にあたることによる刺激にも気を配って、就寝時は髪をまとめてナイトキャップを使用することもありますよ。

また、私自身は脳を休めることを積極的に行っています
代謝のリズムには脳が影響していて、スマートフォンやパソコンに長時間触れて次々に情報が入ってくると、脳が疲れて肌の調子も悪くなるんです。

現代人は情報過多で、知らなくても良いことで不安になったり、必要以上に人と自分を比べて落ち込んだりすることがありますよね。脳を休める時間がないと、心も体もお肌もストレスを抱えて、健康な状態を保てなくなってしまいます

だから私は意識して情報を遮断し、一人で好きなことをしたり、気の合う人たちとゆっくり食事を楽しんだりして、脳が喜ぶ時間を作るよう心がけています。

こうして脳を休めたり喜ばせたりするのは、感情が乱れやすい更年期の対策にも効果的なので、皆さんもぜひ取り入れてみてくださいね。

更年期と関係するシミか、スマホで審断!

更年期にできるシミの多くは、ターンオーバーの乱れが原因。ただしシミの種類や肌質によって、できてしまったシミへの対処法は異なります。まずは自分のシミについて知り、適切な対策をとるようにしましょう。
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