頬のシミは肝斑かも!今すぐ改善するために出来ることとは
頬にできた左右対称のシミに気づいたら、まず疑いたいのが肝斑です。肝斑は他の一般的なシミとは改善方法が異なるので、しっかり見分けて適切な対処を行うことが重要です。この記事では、頬にできやすい肝斑の特徴と改善法、悪化させないための対策、また肝斑以外に考えられるシミの種類と、頬のシミに関するよくある疑問について解説します。
頬にできる肝斑(かんぱん)はこんなシミ!
頬骨に沿って左右対称に、もやもやとぼやけた印象で現れる薄茶色のシミが肝斑です。発生する範囲は広範囲にわたることが多く、こめかみやおでこ・口周辺にできる場合もありますが、目の周囲にはできないのが特徴です。
肝斑の特徴については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
肝斑ができる原因
肝斑ができる根本的な原因は分かっていませんが、ホルモンバランスの変化が大きい30~50代の女性によく見られるため、女性ホルモンのバランスの乱れが影響すると考えられています。妊娠や経口避妊薬(ピル)の服用がきっかけになることもあるようです。そして閉経後は徐々に薄くなっていく場合が多いです。ただし、紫外線の刺激やストレスなどによって悪化するので注意しましょう。
自分にできたシミが、肝斑であるか分からない人は、こちらのシミ審断でセルフチェックするのがおすすめです。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
肝斑にピンとこなければ、老人性色素斑かも
肝斑の次に疑いたいのが、老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)です。紫外線のダメージによって、メラニンが過剰に作られるのが主な原因となるシミです。頬はよく日光が当たる場所なので、可能性が高いと言えます。
肝斑と老人性色素斑の見分け方
老人性色素斑は、必ずしも左右対称にできるわけではありません。大きさもバラバラで、境界線がはっきりしているのが肝斑との大きな違いです。
肝斑を今すぐ改善するには?
肝斑は残念ながら化粧品などによるセルフケアでは改善が難しく、薬の服用が主な治療法です。肝斑のセルフケアが難しい理由と注意が必要な治療、そして効果的な改善法を紹介します。
セルフケアでの改善は難しい
肝斑は紫外線などが原因となる一般的なシミとは違い、ホルモンバランスの乱れなど体の内側からの影響が大きいので、スキンケアなどの外的な対策では改善が難しいです。医療部外品の化粧品を使ったスキンケアも、肝斑への効果は期待できません。
レーザーでの治療も基本的には難しい
肝斑は肌の刺激の影響を受けやすい性質があります。皮膚科などで一般的にシミ取り治療として行われているレーザーは、反対に悪化させてしまうおそれがあるので要注意です。しっかりカウンセリングを受け、シミの種類を慎重に見極めてから行いましょう。
内服治療が基本、医師へ相談を
肌の炎症を抑える作用があるトラネキサム酸の内服が、肝斑の基本的な改善方法です。市販もされていますが、まれにアレルギー症状がでたり、血栓症のリスクが上がったりするので、皮膚科などを受診して医師に処方してもらうのがおすすめです。シミの状態によっては、ビタミンCなども一緒に処方されます。
トラネキサム酸の効果や副作用については、下記の記事で詳しく解説しています。
老人性色素斑を今すぐ改善するには?
老人性色素斑はセルフケアで改善が見込めます。しかし長期的に取り組む必要があるので、今すぐ改善したい人は皮膚科の受診を検討すると良いでしょう。
特殊な成分で自宅でセルフケア
グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)などの先進の美容成分が配合された化粧品によるセルフケアで、老人性色素斑の改善が期待できます。なお、シミに効くイメージがある美白化粧品(医薬部外品)は、すべて予防目的のものなので、今あるシミの改善を強く期待することはできません。選ぶ際は注意しましょう。
ドラッグストアなどで購入できる治療薬(内服薬)もあり、LーシステインやビタミンCなどの有効成分が配合されています。
皮膚科で改善
早く老人性色素斑を薄くしたい場合は、皮膚科などで行っているレーザー治療も有効です。ただし、肝斑と複合している可能性もあるので慎重に受けましょう。
頬のシミをこれ以上悪化させないために日々できること
治療の効果を十分に発揮させるには、改善策と併せて悪化させないための予防も必要です。肝斑や老人性色素斑などのシミを増やさない、濃くしないために日々できる対策を紹介します。
紫外線対策をする
紫外線のダメージによりシミは悪化するので、対策は必須です。日焼け止めはオールシーズン塗り、日傘や帽子なども併用していきましょう。日焼け止めは2~3時間おきに塗り直しをするか、メイク直しでなるべく肌をカバーするのがおすすめです。近年つける機会が増えたマスクでは、ほとんど紫外線を防げないので注意してくださいね。
なるべく肌に摩擦を起こさない
摩擦によってもシミは悪化します。スキンケアの際は、力の入れすぎに要注意。肌への負担を減らすには、次のポイントを意識してください。
- 洗顔料をしっかり泡立てる
- 化粧水はパッティングせずに、手のひらで押さえるようになじませる
- 乳液やクリームは適量を守り、なるべく擦らないようにつける(使用量が少ないと摩擦になる)
またマスクも摩擦の原因になるので、肌が弱い人はガーゼを挟むなどの対策がおすすめです。
心身ともにリラックスできる時間を作る
シミの元となるメラニンは、肌のターンオーバーとともに排出されます。ストレスは肌のターンオーバーを乱す原因に。ストレスをゼロにするのは難しいものですが、リラックスできる時間を作って軽くしていきましょう。
湯船に浸かる頻度を増やす、6~8時間を目安に十分な睡眠をとる、適度なストレッチやマッサージを行うなど、無理なくできることから始めてみてください。ただし肌荒れのきっかけとなる喫煙や飲酒は、なるべく控えるのが望ましいです。
シミの予防法については、下記の記事でより詳しく解説しています。
肝斑や老人性色素斑だけじゃない!頬にできやすいシミの種類
頬にできるシミは他にもいくつか種類があります。場合によっては、たまたま肝斑のように左右対称にできることもあるので、注意して見分けましょう。肝斑や老人性色素斑以外にできる可能性のあるシミの種類を紹介します。
その他の頬にできるシミの種類
【炎症後色素沈着】
ケガやニキビ・虫刺されなどによる肌の炎症が治った後に、色素が沈着してできるのが炎症後色素沈着です。年齢や部位に規則性はなく、頬にもできる可能性もあります。時間が経てば自然に消えていくことが多いですが、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)が配合された化粧品でケアすることにより、早期改善につながります。
【後天性メラノサイトーシス(ADM)】
20歳前後から現れる、発生原因は不明のシミ。発生部位が肝斑と似ているので間違われやすいですが、グレーや青みを帯びた色味をしているのが見分けのポイント。主な改善方法は、皮膚科でのレーザー治療です。
病院を受診する前にセルフチェックしたい場合は、こちらのシミ審断を活用してみてください。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
よくある頬のシミに関するQ&A
最後に、頬のシミについてよくある疑問にお答えします。注意すべき症状や、改善方法を検討する時に気を付けたいことにも触れていますので、目を通してみてくださいね。
急に頬にシミができた!何が考えられる?
年齢を重ねるごとに、シミ発生のリスクは上がります。加齢によってシミができ始め、急に増えたと感じることもあるかもしれません。また、コロナ禍でつける機会が増えたマスクによる摩擦、外出自粛による運動不足やストレスが、シミにつながっている可能性もあります。ただしあまりにも急激に増えた、濃くなったという場合は、病気が隠れていることもあるので受診も視野に入れてくださいね。
頬にできた黒いシミは病気?
メラニンが肌の表面近くに残っていると、シミの色が濃くなる傾向があるので、色調だけでは病気かどうかの判断はできません。とはいえ、悪性化した病変の可能性も考えられるため、褐色だったものが黒くなった、短期間で大きくなってきた、シミができた部分の皮膚が硬い、痒みがあるなど、何かおかしいと思ったら一度受診をおすすめします。
皮膚科のレーザー治療にはいくらかかる?
老人性色素斑などに有効な、一般的なシミ取りレーザーの1回の金額は、1~5ミリほどのシミで1万円前後が相場です。ただし、クリニックによって照射範囲や回数の設定が異なります。「レーザー治療が安い!」と思っても、どのような施術になるのか内容をしっかり確認してから受けるようにしましょう。
ドラッグストアで購入できるアイテムでシミ改善できる?
ドラッグストアの商品を購入するなら、インナーケア(内服)として「医薬品」の表示があるものを選びましょう。サプリメントは「食品」の分類なので、今すぐの改善は期待できません。なお医薬品といっても、すべてのシミを改善できるわけではありません。選ぶときは薬剤師や登録販売者に相談するとよいでしょう。
また先述したように、薬用の美白化粧品(医薬部外品)は、あくまでもシミの予防を目的としたもの。美白有効成分が配合されているので「シミに効く」というイメージがありますが、改善効果はないので注意してくださいね。
頬のシミの種類に合った改善方法を知ろう
頬にできやすい肝斑は、一般的なシミとは違った性質があるので、間違った対処をすると改善しないどころか、悪化させてしまうおそれもあります。トラブルを防ぐためにも、しっかり種類を見分けて効果的な改善策をとりましょう。もしシミの見分けに悩んだら、こちらのシミ審断を活用してください。いくつかの質問に答えるだけで、自分にできたシミのタイプを判別できます。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長
・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。