目の下にできたシミを改善するには?シミの種類ごとに対策を解説

目の下の皮膚はとても薄くデリケートなため、紫外線や摩擦などによって刺激されるとシミができやすくなります。一度シミができてしまうとなかなか消えないので、医療機関での治療を検討している人もいるのではないでしょうか。この記事では、目の下にできるシミの種類別に原因と改善する方法などを解説します。

【種類別】目の下のシミを改善する方法

下のイラストは、シミの見ためや形を簡略的に説明したものです。発生しやすい場所を完全に示唆するものではございません。
シミ一覧イラスト
シミにはいくつか種類があり、できる原因や治療方法もそれぞれ異なります。まず目の下にできるシミの種類別に原因と、治療方法を解説します。
シミは種類によって適切な対策方法が異なりますが、大きく分けて『シミ取りレーザー』と『セルフケア』の2つの方法があります。シミ・コンシェルジュが行ったシミ対策に関するアンケート調査では、以下のような結果となっています。

調査概要:シミ対策に関するアンケート調査
調査期間:2022年9月1日~2023年2月28日
調査人数:5,673名
調査方法:インターネット調査(株式会社メディプラス製薬)
シミを対策したい人の多くが、美白系化粧品などを使用してセルフケアでの改善を目指していることがわかります。つまりそれは、病院やクリニックで診てもらうことなく、シミの状態を自分で判断している人が多いということでもあります。

しかし、上記で紹介したように実はシミにはたくさんの種類があるため、正しいケアができていない可能性がございます。そのため、まずは『シミ審断』でご自身のシミを種類を特定し、種類に応じて効果が見込めるケア選びから始めましょう。

①老人性色素斑

老人性色素沈着の写真とイラスト
老人性色素斑は日光性黒子とも呼ばれ、原因は紫外線によるダメージの蓄積です。紫外線を浴びると、メラノサイトの働きが活性化し、シミの元となるメラニンを過剰生成します。加齢などが原因で肌のターンオーバーが乱れると、メラニンが肌の外側へ排出されないまま、色素沈着してシミになります。
老人性色素斑の治療方法
レーザー治療レーザーを照射し、メラニンを直接破壊する治療法。
1回の施術でシミが薄くなるので、即効性を求める人におすすめ。
ただし、レーザー照射後はダウンタイムがあるため、数日間保護シールを貼る必要があることも。
フォトフェイシャルIPLという特殊な光を照射する治療法。
メラニン色素を破壊する効果がある。

②肝斑(かんぱん)

肝斑の写真とイラスト
肝斑の主な原因として、女性ホルモンの乱れが挙げられます。更年期、妊娠中、ピルを服用するなど女性ホルモンに変化があった時にできやすいと考えられています。女性ホルモンのバランスが崩れやすい、30~50代の女性に多く見られるシミです。また、ストレスが原因で色が濃くなったり、紫外線を浴びて悪化したりする可能性もあります。
肝斑の治療方法
トラネキサム酸
内服薬
メラニン色素の生成を抑制する効果がある。
止血作用があるため、血栓が関係する病気の人や、薬を服用している人は医師に相談すること。
ビタミンC
内服薬
メラニンの生成を抑制する働きや、色素を還元する作用がある。
肝斑の改善には、より高い効果を得られるように、トラネキサム酸と一緒に処方されることが多い。

③炎症後色素沈着

炎症後色素沈着の写真とイラスト
ニキビ、ヤケド、傷など、炎症による赤みがひいた後にできるシミです。肌に炎症が起きるとメラニンが生成され、排出されずに肌内部に蓄積したものがシミとなります。また、紫外線を浴びると悪化しやすいので注意が必要です。
炎症後色素沈着の治療方法
レーザー治療レーザーを照射し、メラニンを直接破壊する治療法。
1回の施術でシミが薄くなるので、即効性を求める人におすすめ。
ただし、レーザー照射後はダウンタイムがあるため、数日間保護シールを貼る必要があることも。
フォトフェイシャルIPLという特殊な光を照射する治療法。
メラニン色素を破壊する効果がある。
ケミカルピーリング薬剤を使って肌表面にある角質を除去し、ターンオーバーを促進させる治療法。
まれにレーザー治療、ケミカルピーリング後の肌に外部からの刺激があると、
炎症後色素沈着を引き起こす場合がある。
トラネキサム酸
内服薬
メラニンの生成を抑制、抗炎症作用がある。
※治療の一環で必要な場合がある
ビタミンC
内服薬
メラニンの生成を抑制、抗酸化作用がある。
※治療の一環で必要な場合がある
ハイドロキノン
外用薬
メラニンの生成を抑制する。
成分が強いため、肌に炎症が起こる可能性がある。必ずパッチテストを行ってから使用する。
トレチノイン
外用薬
肌のターンオーバーを促進させる働きがある。
ハイドロキノンと一緒に処方されることが多く、併用すると浸透効果アップを期待できる。
トレチノインの注意点として、「レチノイド皮膚炎」と呼ばれる副作用が起こることがあります。赤み、痒み、紅斑などが見られ、肌に塗ると赤くなったり、角質が剥がれ落ちたりする場合も。効果があらわれる時の症状なのであまり気にしなくて良いですが、我慢できないほどの痛みなどがある場合は使用を中止して医療機関を受診しましょう。

④雀卵斑(じゃくらんはん)

そばかすの写真とイラスト
雀卵斑はそばかすとも呼ばれ、原因は遺伝と考えられています。そのため、親にある場合は子どもにできる可能性があり、早ければ幼少期からあらわれる場合も。紫外線を浴びると悪化しやすいため、注意が必要です。
雀卵斑(そばかす)の治療方法
レーザー治療真皮層にできたそばかすも、レーザー照射でメラニンを破壊し改善可能。
しかし、レーザー治療はシミにピンポイントで照射するため、広範囲にできるそばかすの治療に用いられることは少ない。
フォトフェイシャル小さいものから広範囲にできたものまで、しっかり照射可能。
ただし、真皮層にできた色の薄いそばかすは、改善しにくいとされている。
もし肝斑の合併症を引き起こしている場合は、トラネキサム酸の服用がおすすめ。
今あるシミがどの種類か分からない人は、以下のシミ審断をチェックしてみてください。いくつかの質問に答えると、シミの種類と改善方法が分かります。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

シミだと思ったら茶クマの可能性も

茶クマは目元の皮膚が茶色くなり、シミと同じような症状があらわれます。皮膚を引っ張った時に、クマも一緒に動くなら茶クマかもしれません
目元を指さす女性
摩擦による色素沈着が原因とされ、クレンジングやスキンケア、マッサージなどをする時など、皮膚をゴシゴシこする行動が茶クマにつながります。その他、紫外線の影響によるメラニンの蓄積も茶クマの原因に。
茶クマの治療には、レーザートーニングの他、ハイドロキノン含有のクリームなどの外用薬を用いられる場合もあります。

目の下のシミはセルフケアで改善できる?

化粧水をコットンに染み込ませる女性
できてしまった目の下のシミを、セルフケアで完全に消すことは困難です。しかし、老人性色素班と炎症後色素沈着であれば、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)配合の化粧品で改善できる可能性があります。グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)は、メラニンを分解・シミが薄くなる効果が期待できる成分です。
また、シミが増えたり、濃くなったりしないよう予防のためのセルフケアもとても重要です

目の下のシミを増やさないために!今日からできる対策

目の下のシミを悪化させないために、普段のスキンケアや生活習慣の見直しをすることが大切です。どのようなことに気を付ければ良いか見ていきましょう。

紫外線対策をする

複数の日焼け止めの容器と太陽のイラスト
外線対策には、日焼け止めを一年中徹底して塗ることが大切です。日焼け止めのパッケージに記載されている「SPF」は、UV-B(しみ・くすみの原因)、「PA」はUV-A(しわ・たるみの原因)を防御する目安。シーンや目的によって選ぶ基準がありますので、日焼け止めを選ぶ時は以下の表を参考にしてください。
SPF10~20 SPF20 SPF30 SPF40 SPF50 SPF50+
PA+ 日常生活
(買い物等)
PA++ 屋外での比較的軽い運動
(レジャー、スポーツ等)
PA+++  
PA++++ 炎天下での活動
(アウトドア、海上スポーツなど)
日焼け止めは外出前だけでなく、2~3時間おきに塗り直すのが理想的。もしくは、メイク直しをする際にUVカットのファンデーションを使用するのも効果的です。

毎日継続して正しいスキンケアを行う

継続のチェックをするカレンダー
毎日のスキンケアは、やさしく丁寧に行うのがポイント。クレンジングや洗顔でゴシゴシ擦ってしまうと、摩擦による肌へのダメージでシミができやすくなります。化粧水や乳液をつける時は叩き込まずに、手で包み込むようにしましょう。
スキンケア用品は、目元専用または目元にも使用可能な刺激の少ない成分を選び、使用する時は、パッケージに記載されている使用方法や使用量を正しく守ってください。シミを目立たなくするにはコツコツと継続することが大切です。

規則正しい生活を送る

ベッドで熟睡する女性
シミ対策では、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を整えることも重要に。ターンオーバーが乱れると、メラニンが排出されにくくなり、シミができやすくなります。
睡眠不足が続いたり、ストレスがたまったりするとターンオーバーが乱れやすくなるので、注意が必要です。就寝前にテレビ、スマートフォン、パソコンなどのまぶしい光を見ると、脳が興奮状態に。寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったり、睡眠の質を低下させる原因になります。就寝する1時間前には見ないようにして、6~8時間の睡眠を心がけましょう。

シミ改善に効果的な食べ物を摂取する

朝食を摂る女性
食事はシミ改善に効果的とされる食べ物を積極的に摂り入れ、体の内側からケアをすることも大切です。シミ改善に効果的とされる、主な栄養素と食べ物は以下のとおりです。
栄養素期待できる効果含まれる食べ物
ビタミンA皮膚や粘膜の健康を保つ小松菜・ニンジン・レバー・卵・チーズなど
ビタミンCメラニンの生成を抑制・できたシミを元に戻すブロッコリー・トマト・パプリカ・キウイ・イチゴ・レモン・アセロラなど
ビタミンEビタミンCの働きを助け、血行促進作用もあるほうれん草・かぼちゃ・アーモンド・ピーナッツなど

目の下のシミを改善して、自信のある目元に

目元が美しい女性
目の下のシミをなるべく早く改善させたい場合は、皮膚科での治療をおすすめします。治療で改善した後も、シミが新しくできたり、再発したりしないようにしっかり対策を行うことが大切です。いつまでも若々しく、自信を持てる目元になるよう心がけてみましょう。
今あるシミの種類をすぐに審断できる、こちらのサイトもぜひチェックしてください。

顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。

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