オゾンがヒト歯肉線維芽細胞のコラーゲンタイプ1および炎症性サイトカイン産生に与える影響
牧田佳真1, 今村泰弘2, 益野一哉3, 田村功4, 藤原眞一1, 塩田剛太郎5, 芝燁彦6, 王宝禮7*
1大阪歯科大学歯学部化学教室, 大阪, 日本
2松本歯科大学歯学部薬理学講座, 長野, 日本
3大阪歯科大学歯学部歯科教育室, 大阪, 日本
4大阪歯科大学歯学部口腔解剖学講座, 大阪, 日本
5 VMC株式会社, 東京, 日本(現メディプラス製薬)
6昭和大学歯学部補綴学講座, 東京, 日本
7大阪歯科大学歯学部細菌学講座, 大阪, 日本
要約
オゾンは、強力な抗菌作用を持ち、微生物に薬剤耐性を引き起こさないため、口腔内消毒剤として検討されています。本研究では、酵素免疫測定法を用いて、in vitroでヒト歯肉線維芽細胞(HGF)におけるコラーゲンタイプ1および炎症性サイトカインの産生に対するオゾン曝露の影響を調査しました。0.5 ppmのオゾンを追加すると、HGFによるコラーゲンタイプ1の産生が24時間以内に有意に増加しました。リポポリサッカライド(LPS)で処理されたHGFによる炎症性サイトカインのインターロイキン-6(IL-6)およびIL-8の分泌は、オゾンが存在する場合に減少しました。これらの結果は、臨床でのオゾンの使用が、微生物病原体への曝露後の炎症と組織の消失を促進する一方で、HGFを介した歯周組織の維持と修復のバランスを促進することを示唆しています。
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