シミができる年齢は何歳から?年齢に応じたシミ対策のポイント

「10代から20代前半まではそれほど気にならなかったのに、30代前後になって肌トラブルが増えてきた気がする」
特にシミは年齢を重ねるごとに増えやすくなるイメージがあるので、不安に思う人も多いはず。しかし、適切な対策をおこなえば、何歳になってもきれいな肌は維持できるのです。
そこで今回は、年齢別にできやすいシミの種類と対策方法を紹介します。「もう○歳だから」と諦めるのは時期尚早。年齢にあったシミ対策を行い、自分史上最高の肌を目指しましょう。
顔のシミは何歳からできるのか
シミが気になり始める年齢は35歳くらいからと言われています。
しかし、シミができる原因のひとつに紫外線ダメージの蓄積が挙げられることから、外遊びが好きな人や屋外での部活動に励んでいた人など、紫外線をよく浴びる環境化にいた場合は20歳頃からでも目立つようになってきます。
また、シミの一種であるそばかすは遺伝的要素が大きいとされており、幼少期から思春期にかけて発症。このことから「シミ=年をとった証」ではないことが分かるでしょう。
そもそもシミが発症する原因は、メラニンの過剰生成やターンオーバーの乱れにあります。
メラニンは肌を守る役割があり、通常であれば28日周期のターンオーバーにより、皮膚表面へと押し出され垢と一緒に排出されます。
しかし、紫外線ダメージの蓄積や外的刺激などで、ターンオーバーが追いつかないほどメラニンが過剰生成されてしまうと、肌内部に残ったメラニン色素が沈着してシミとなるのです。
また、加齢や生活習慣の乱れによってターンオーバーが遅れてしまい、メラニンの排出がうまくいかなくなることもシミを作る原因となります。
ちなみに色白の人は、もともと持っているメラニンの量が少ないため、色白ではない人に比べてメラニンを過剰に生成する傾向があります。そのため、特に色白の人はシミができやすいと言えるでしょう。
前述のとおり、シミは生活習慣や遺伝も関係してくるため、年齢問わずできますが、年代によってできやすいシミの種類が異なります。年代別のできやすいシミの種類については、次項をご覧ください。
【年齢別】できやすいシミの種類
先に紹介したとおり、次のように年代によってできやすいシミの種類が異なります。
10~20代では、炎症後色素沈着やそばかす、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の発症が考えられます。30~40代では老人性色素斑や肝斑、50代からは脂漏性角化症が、それぞれできやすい主なシミです。
ただし、年齢はあくまで目安なので、20代でできやすいシミが30代・40代でできることもあれば、シミの種類によってはその逆も考えられます。
次項からはもう少し詳しく、各シミの特徴などを見ていきましょう。
セルフ診断では正確性に欠けるところがあるので、良かれと思って行ったセルフケアで改善しないことも。
むしろ悪化してしまうこともあるので、シミを本気で治したいと考えている場合は、下記のシミ審断を行い、シミの種類を特定しましょう。
簡単な質問に答えるだけで、シミの種類・対処法がわかるのでぜひお試しください。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
炎症後色素沈着

炎症後色素沈着はケガやニキビ、虫刺されなどで肌が炎症した際にターンオーバーが乱れ、メラニンの排出がうまくいかなくなった結果、メラニン色素が皮膚に沈着してできるシミです。
ケガやニキビ、虫刺されなどが原因となるので、20代はもちろん、全年代、また部位関係なくできる可能性があります。
また、炎症は肌を触ったときの摩擦や、洗顔・クレンジング時の擦りすぎによっても起こります。
その炎症が、シミの原因にならないとも限らないので、普段から肌に触れるときはゴシゴシ擦るのではなく、「優しく丁寧に」触ることを心がけましょう。
なお、炎症後色素沈着ができていることに気づかず、肌を擦ったり、紫外線を浴びたりすると、シミの増加・悪化に繋がるのでこの点にも注意が必要です。
【炎症後色素沈着の主な治療法】
- レーザー治療
- フォトフェイシャル
- ケミカルピーリング
- 外用薬
- 内服薬
炎症後色素沈着はターンオーバーを促すことで薄くできます。そのため、上記の治療と合わせて、ターンオーバーをサポートするL-システインを多く含む食べ物(高野豆腐、卵、ごま、ブロッコリーなど)を積極的に摂るのもおすすめです。
そばかす(雀卵斑)

そばかすは遺伝的要因が強いシミで、幼少期から思春期にかけてよく見られます。特に色白の人にできやすいといわれており、鼻や頬、腕などに好発します。
成長過程で薄くなっていく傾向がありますが、紫外線によって悪化するおそれがあるので注意が必要。逆に言うと、紫外線対策を入念にすることで、悪化の防止は防げます。
【そばかす(雀卵斑)の主な治療法】
- レーザー治療
- フォトフェイシャル
- 外用薬
- 内服薬
遺伝的要因が大きいと言われておりセルフケアで予防したり薄くしたりすることが難しいシミですが、レーザー治療やフォトフェイシャルによって改善が見込めます。また、紫外線対策で悪化を防止しつつ、内服薬や外用薬での改善治療も可能です。
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

発生原因が不明な後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、20歳頃から見られることが多いシミです。額や頬に好発し、頬の辺りには左右対称にできるため、肝斑と混同されることもあります。
しかし、ADMは灰色~青みを帯びた褐色で、米粒大ほどの大きさが特徴なのに対して、肝斑は薄茶色~茶褐色で輪郭がぼやけているなど、色味や形状が異なります。
ちなみにADMはほかのシミと異なり、肌の深い部分にできることからアザに分類されることも。発生原因が不明なシミなので、どういった人がなりやすいか、また予防法もわかっていないのが現状です。
【後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の主な治療法】
- レーザー治療
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の治療法は、肌深部まで光が届くレーザー治療のみです。ただし、レーザー治療が逆効果となるおそれがある肝斑と合併して発症することも多く、その場合はまず内服薬・外用薬を用いて肝斑の治療からはじめることになります。
老人性色素斑

老人性色素斑は加齢や紫外線ダメージの蓄積よって発症するシミです。そのため、頬やこめかみ、手の甲や腕など、紫外線があたりやすい部位を中心にできます。色は薄茶色から茶色で、はっきりした輪郭が特徴です。
老人性色素斑は30~50代に好発するシミですが、紫外線ダメージが主な原因なので、屋外に出る機会が多い人であれば、10代から発症するケースもあります。そのため、予防・悪化防止は早期からの紫外線対策が鍵になります。
【老人性色素斑の主な治療法】
- レーザー治療
- フォトフェイシャル治療
- 外用薬
- 内服薬
これらの治療法のほか、老人性色素斑ではグリセナジーMK(オゾン化グリセリン)やハイドロキノンなどが配合された化粧品を用いることで、セルフケアも可能です。
肝斑

肝斑は30~40代に好発するシミです。発症の根本的な原因は分かっていませんが、発症しやすい年代がホルモンバランスの乱れやすい時期でもあることから、女性ホルモンの乱れが大きく影響していると考えられています。
肝斑は頬骨や額などに沿って左右対称にでき、薄茶色から茶褐色で輪郭がボヤボヤとしています。広範囲におよぶことが多いですが、瞼にはできないのが特徴です。
女性ホルモンの乱れが主な原因として考えられていることから、加齢をはじめ、妊娠・出産、ピルを服用している、また過度なストレスを抱えている人にできやすいシミと言えます。
【肝斑の主な治療法】
- ケミカルピーリング
- 外用薬
- 内服薬
肝斑の治療法では特に内服薬が有効とされています。また、あわせて生活習慣を整え、ホルモンバランスを正すことも肝斑の早期改善に繋がるでしょう。
脂漏性角化症

老人性色素斑を長期間放置したことによってできるイボのようなシミが脂漏性角化症です。肌色~黒色をしており、大きさもバラバラ。シミの辺りにわずかな盛り上がりがある特徴から、ほくろと見間違えることも。
しかし、ほくろは半球状に膨らんでおり、色が濃く柔らかいのに対して、脂漏性角化症はほくろよりも硬く、ボコボコしているという違いがあります。
脂漏性角化症は基本的に良性のシミなので治療の必要はありませんが、少しでも異変を感じたり、見た目が気になったりする場合は、皮膚科に相談するのがおすすめです。
【脂漏性角化症の主な治療法】
- レーザー治療
- 液体窒素
液体窒素での治療は、適切な強さで病変部位を冷凍しないと、再発または傷跡が残る可能性があるため、経験豊富で高いスキルを持つ医師に施術してもらう必要があります。
皮膚に含まれる水分を利用して細胞を削る炭酸ガスレーザーでの治療にも同じことが言えるので、脂漏性角化症の治療の際は特に慎重に美容皮膚科・クリニック選びを行いましょう。
年齢によるシミ対策の違い
年齢によってできやすいシミが異なるように、年齢によって適切なシミ対策も異なります。ここでは次の年代別に最適なシミ対策を紹介します。
- 20代
- 30代
- 40代以降
全年代に共通して言えるのは、紫外線対策です。多くのシミの発症原因である紫外線への対策は、シミ発症と悪化予防になります。夏のイメージが強い紫外線ですが、実は年中降り注いでいます。
また、窓ガラスも通過してくるので、1年中、そして外出する予定がないときでも日焼け止めを塗るなどして紫外線対策を行いましょう。
20代のシミ対策
20代はまだ肌にハリがあり、また新陳代謝が活発なこともあって、シミができてもいつの間にか消えていた、という場合もあるでしょう。
そのため、シミなどの肌トラブルとは無縁と思いがちですが、実はシミ予備軍が肌の奥で眠っている危険性があるため、20代からシミ対策を行っておくに越したことはありません。
20代の方に意識してほしいシミ対策は次のとおりです。
- 紫外線対策を行う
- 生活習慣を改善する
- スキンケア時の摩擦軽減を心がける
体力があり、働き盛りな20代は生活習慣が乱れやすくなります。生活習慣が乱れるとホルモンバランスが崩れてしまうので、ターンオーバーの遅れが発生。シミを作り出す原因となるため、規則正しい生活習慣を身に付けるようにしましょう。
また、間違ったスキンケアにより肌を擦ってしまうと、炎症を起こしメラニンが過剰生成されます。ターンオーバーが追いつかなくなり、シミが発生してしまうので、スキンケアはもちろん肌に触るときは擦らないようにしましょう。
30代のシミ対策
30代でできやすいシミは、紫外線ダメージの蓄積が原因の老人性色素斑や、女性ホルモンの乱れが原因の肝斑などが挙げられます。20代のうちからシミ対策を行っていなかったとしても、30代から次のような対策を行うことで、シミの増加・悪化の予防が可能です。
- 紫外線対策を行う
- 生活習慣を改善する
- 保湿する
30代から発症しやすい肝斑は、女性ホルモンの乱れが主な原因と言われています。またホルモンバランスの乱れはターンオーバーを遅らせ、メラニンの排出を鈍らせるため、肝斑以外のシミの原因にもなります。
そのため、20代と同じく、生活習慣が乱れている人は、規則正しい生活習慣が送れるように意識して改善を図りましょう。
また、新陳代謝が低下してくる30代では、肌のバリア機能も低下。20代の頃よりも紫外線の影響を受けやすく、肌も乾燥しやすくなります。
肌の水分量が減ると、外部からの刺激を受けやすくなるため、シミができやすくなります。そのため、肌のバリア機能を正常に保ち、シミをできにくくするためには保湿が重要になってきます。
40代以降のシミ対策
40代以降になると、加齢によりさらにターンオーバーが停滞。さらにこれまで蓄積された紫外線ダメージの蓄積によるシミも発症する時期です。
「40代以降ともなるとシミ対策は手遅れでは?」と思われる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。シミがあることで実年齢よりも年上に見られることもあるので、いつまでも若々しくいるためには、むしろ40代以降から本気でシミ対策に取り組みたいところ。
40代以降の方が意識したいシミ対策は次のとおりです。
- 紫外線対策を行う
- 美白成分配合の基礎化粧品を使う
- 抗酸化作用の高い食べ物を摂る
普段使用している基礎化粧品を、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などの美白成分入りのものに変更するだけでも手軽にシミ対策が行えます。
また、体内にある抗酸化物質は、加齢とともに低下。抗酸化力が弱まることで紫外線からの影響を受けやすくなるため、シミができやすくなります。
逆に言えば、抗酸化作用の高いビタミン類を多く含む食べ物を摂れば、酸化によるシミを防げることになります。そのため、普段の食事からビタミン類を意識して摂取するようにしましょう。
シミ改善に効果がある栄養素やレシピは下記の記事で紹介しているので合わせてご確認ください。
シミは年齢に応じた早めの対策を
シミは年齢によってできやすい種類が異なります。また、心がけたいシミ対策も年齢によって違ってくるので、年齢に応じたシミ対策を行うようにしましょう。
すでにシミができている場合は、シミの種類を見分けることが重要です。種類に応じて、適切な対処ができれば、シミの改善はもちろん、増加・悪化も防げます。
もし自分で見分けがつかない、自信がない場合は、ぜひこちらのシミ審断をご活用ください。
顔のシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長
・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。