美容皮膚科医に聞く|目の下のシミのセルフケア&治療法

年齢を感じさせたり、疲れた印象を与えたりする目の下のシミ。実は、色素沈着だけでなく、影や骨格が原因のケースがあることをご存知ですか。 今回は目の下のシミの原因、セルフケア、クリニックでの治療法について 美容皮膚科医が解説します。気になる疑問への回答やアドバイスもあるので、 目の下のシミでお悩みの人はぜひご覧ください。

お話を伺った医師

渋谷スキンクリニック
皮膚科・美容皮膚科医 吉田 貴子 院長

帝京大学医学部を卒業後、東京警察病院・帝京大学付属病院などの勤務を経て、都内クリニック院長を務める。渋谷スキンクリニックを2004年に開院。書籍『毛穴スッキリ!美肌メソッド』(秀和システム)を2019年に出版。
日本皮膚科学会会員、日本美容皮膚科学会会員。

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目の下にできるシミの原因

-目の下にできるシミの原因は何ですか?

目の下にできるシミの原因は1つではありません。

そして原因ごとに治療法が異なりますので、シミの原因について理解を深めておくことが大切です。

目の下にできるシミの原因①影

たるみ・細かいシワ・くぼみなどで生じる影が、シミのように見えるケースです。

FGF注入・ヒアルロン酸注入などで影の原因となっている症状にアプローチすることで治療します。

目の下にできるシミの原因②色素沈着

メラニン色素やメイク残りの色素が沈着して、シミとなるケースです。

加齢によってターンオーバー周期が伸びたり、血行不良によりターンオーバーが乱れたりすることなどが原因となり、色素沈着が発生します。

また、目元をこするような洗顔ほか、メガネのフレームの縁が目の下〜頬に当たるなどの物理的な刺激が、色素沈着につながる可能性も考えられるでしょう。

ケミカルピーリングで色素沈着を取り除くと共に、ターンオーバーの改善を図ったり、レーザーによってシミにアプローチしたりするなどの方法で治療します。

目の下にできるシミの原因③骨格

骨格の歪みによって血行不良が起き、皮膚表面に黒っぽい血管が透けることで、 シミのように見えるケースです。

疲労時・寝不足時などは、血行不良が起きやすく、特に目立ちやすくなることがあります。

ビタミンやプラセンタの点滴、ツボ注射、イオン導入、メディカルエステなど、血行不良にアプローチできる治療を実施します。

目の下のシミの予防・セルフケア

-目の下のシミに有効な予防策やセルフケアは、どのようなものですか?

UVケアとビタミンCの摂取をメインに考えると良いでしょう。

シミの予防には日々のセルフケアの積み重ねも大切ですので、ぜひ実践してみてください。

UVケア

紫外線はシミやたるみの原因になるので、しっかりカットすることが大切です。

日焼け止めを塗ることはもちろん、帽子や長袖の着用も効果的です。

また、UVカットレンズの眼鏡などは、目元の紫外線ダメージの軽減が期待できます。

ビタミンC

UVケアに次いで、おすすめのケア方法です。

ビタミンCには抗酸化作用があり、シミの原因となるメラニン生成の抑制効果があります。

私も1日に最低4,000mg摂っていて、シミに悩む人にも積極的な摂取をおすすめしています。

ビタミンCのサプリメントは市販されていて、簡単に入手できますが、含有量が少ない傾向にあり、添加物も心配です。購入する際は製品の品質にもご注意ください。

その他

紫外線を浴びた後に、ダメージが出ないようにするケアもおすすめです。

具体的には、抗酸化作用の高い美容成分を摂取すると良いでしょう。

また、肌のターンオーバーが上がっていればシミができにくく、できても改善しやすくなるので、ターンオーバーをあげるアイテムを使うのも効果的ですね。

目の下のシミの治療法

-クリニックでは、目の下のシミに対して、どのような治療を実施するのですか?

シミの原因や状態に合わせて、ベストな治療法を検討します。

内服・外用薬、サプリメントもあわせてご提案することが多いですね。

以下、目の下のシミの治療で選択されることが多い機器や施術をご紹介します。

ヒーライトⅡ

ルートロニック社製の、医療用LED機器です。2波長の連続照射が可能な世界初の機器で、光を筋肉層にまで届けることができ、細胞レベルのアンチエイジングを実現します。

目元のシワ・たるみ・乾燥の予防ほか、ニキビ・ニキビ痕ケア、肌荒れやむくみの改善、血行促進など、治療範囲の幅広さも特徴です。

ハリウッドスペクトラ

ヒーライトⅡと同じルートロニック社製の、レーザー治療機器です。

従来のレーザー機器では難しかった、肝斑治療に対応できる点が大きな特徴となります。

具体的に、ハリウッドスペクトラには肝斑・色素沈着にアプローチできる「トーニング」、 毛穴の開きやつまり・赤ら顔・ニキビなどにアプローチできる「スペクトラピール」、シミ・そばかすなどにアプローチできる「ルートロピール」などのモードが搭載されており、お肌のさまざまなお悩みに対応可能です。

メディカルピーリング

薬剤や機器を使って、表皮上層の除去を実施します。

これにより乱れたターンオーバーの正常化や、厚くなった角質除去による、シミ・くすみ・ニキビ・毛穴開きなどの改善が期待できます。

なお、ピーリング後にイオン導入を実施すると、美容成分をより効率的にお肌に浸透させることが可能です。

【美容皮膚科医が解説】目の下のシミのよくある疑問

最後に、目の下のシミにお悩みの人の疑問にお答えします。

目の下にシミはできやすい?

-目の下のシミに悩んでいますが、ここはシミができやすい部分なのですか?

目の下は頬骨が出ていて、上から日光が当たりやすい部分です。

そのため、紫外線ダメージが蓄積しやすく、シミができやすい可能性があります。

ただし、実際に目の下にシミができやすいかどうかは、個人差が大きいです。

たとえば職場や学校のデスクの位置などで、横から日光を受けやすい人は、目尻部分などにシミができやすい可能性があります。

アイメイクは控えめにした方が良い?

-目の下にシミが発生している場合、アイメイクは控えた方が良いですか?

特に、控える必要はありません。

紫外線カット効果の高いファンデーションを、日焼け止めした後に重ねて塗ると、UVカット効果が高まるのでおすすめです。

ただし、使用後にきちんと落とさないと色素沈着する恐れがあるため、しっかりオフしてください。

目元のレーザー治療の安全性は?

-目元にレーザーを当てるのが少し怖いのですが、安全性はどうですか?

目元のレーザー治療は、基本的に骨のある部分に照射しますし、ゴーグルも着用しますので安全です。

まぶたに照射する場合も専用のコンタクトレンズを入れるため、眼球に影響はありませんからご安心ください。

目元のシミの悩みは、何歳以降に多い?

-目元のシミの悩みは、何歳以降の人に多いですか?

目元に限らずシミにお悩みの人は、 40代以降が多いように思います。

また、クマのお悩みについては、35歳以降から悩む人が多くなる印象です。

ただし、シミのできやすさは、体質やライフスタイルでかなり大きな個人差がありますね。

【シミに悩む方へ】美容皮膚科医からのアドバイス

目元のシミに対して、セルフケアをされる人は多いかと思いますが、クリニックでの治療を選択される人は案外少ないように思います。

また、治療を諦めている方がいらっしゃる点も、美容医療に長く携わる私としては残念です。

クリニック治療なら、セルフケアと比較して的確にお悩みにアプローチできますので、きれいへの一歩を確実に踏み出すことができます。ご相談だけはもちろん、肌診断やシミの予防法についてもお話させていただいています。

お話を伺った医師

渋谷スキンクリニック
皮膚科・美容皮膚科医 吉田 貴子 院長

帝京大学医学部を卒業後、東京警察病院・帝京大学付属病院などの勤務を経て、都内クリニック院長を務める。渋谷スキンクリニックを2004年に開院。書籍『毛穴スッキリ!美肌メソッド』(秀和システム)を2019年に出版。
日本皮膚科学会会員、日本美容皮膚科学会会員。

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