女性に多いシミ「そばかす」|美容ドクターに聞くセルフケア&治療方法

子供の頃から悩まされる方もいるそばかす。実は、女性に多いシミであることをご存知でしょうか。
今回は、シミの一種であるそばかすの特徴・セルフケア・治療法を美容ドクターが解説します。よくある疑問への回答やアドバイスもあるので、ぜひチェックしてください。

お話を伺った医師
ビクアスクリニック秋葉原
院長 植木 健太郎先生
福岡大学病院 形成外科、神奈川県立こども医療センター 形成外科、京都大学医学部付属病院 形成外科、大阪赤十字病院 形成外科、福岡山王病院 形成外科、大手美容外科院長を経て、2022年、ビクアスクリニック秋葉原を開院。
日本形成外科学会認定 形成外科専門医。日本美容外科学会(JSAPS)、日本抗加齢医学会所属。
そばかすの特徴や原因

ーそばかすとは、どのようなシミですか?
パラパラと細かく、多くは左右対称に発生するシミです。
雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれます。基本的には、正面から見える部分に1から数mmの小さいサイズの斑点が、均等に出てきます。
そばかすの特徴

ーまずは、そばかすの特徴について教えてください
そばかすは薄茶色の細かいシミで、両頬・鼻を中心に発生します。中には、あご・前額部などに出てくる方もいらっしゃいますね。
そんな、そばかすの1番の特徴は「若い世代も発症する」ことです。なかには、3歳ぐらいから出現する子もいます。
そばかすは女性に多いシミ
そばかすを発症するのは、基本的に女性が多いんですね。発症するお子さんも、やはりほとんど女の子です。実際に当クリニックにそばかす治療で来られる方も、20代〜30代の女性がほとんどで、悩まれる方が多くいらっしゃいます。
そばかすが発生する原因
ーそばかすが発生する原因は、何ですか?
主に、遺伝・女性ホルモン・紫外線の3つです。
色白・乾燥肌などの体質や、色素異常症・色素乾皮症など基礎疾患がベースにある方は、そばかすになりやすいと言われていますが、紫外線によりメラニン生成が亢進し顔の色素を一定に保てない何らかの遺伝的な素因があると考えられています。
女性ホルモンは、妊娠したタイミングでそばかすができたり、症状が強くなったりする人も一定いることから、 影響があると言われています。
紫外線は、すべてのシミの一因と言っても過言ではありません。そばかすは子供の頃に強く出る方も多いですが、大人のようにしっかりと紫外線対策していないことも関係しているかもしれません。実際にそばかすは、紫外線量の多い夏場に濃くなり、紫外線量の少ない冬場に薄くなるケースがあります。
そばかすと他のシミとの違い

ーそばかすと他のシミには、どのような違いがありますか?
症状の特徴や治療法など、さまざまな部分で違いがあります。
なお、そばかす以外のシミには老人性色素斑、脂漏性角化症、後天性真皮メラノサイトーシス、肝斑、色素沈着の5つが挙げられます。
それぞれのシミの特徴を、そばかすと比較して解説します。
そばかす以外のシミ①老人性色素斑

老人性色素班は、茶色〜褐色の丸いシミです。若い頃から発症するそばかすとは異なり、加齢に伴って、中年期以降に出現します。
老人性色素班は、紫外線が当たる可能性のある場所であれば、 顔以外のどこにでもできる可能性があります。
そばかす以外のシミ②脂漏性角化症

脂漏性角化症は、茶色〜黒色の盛り上がり(厚み)のあるシミで、イボに近いケースもあります。
そばかすの治療では、皮膚の浅い部分へマイルドにアプローチするそばかすに対して、脂漏性角化症は異なります。熱エネルギーが厚みの部分に吸収されるので、 普通のレーザーでもあまり効き目が期待できません。
そこで、炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザー、冷凍凝固療法など、特殊な治療を実施していきます。
そばかす以外のシミ③後天性真皮メラノサイトーシス

後天性真皮メラノサイトーシスは、青色〜茶色のシミで、ADMとも呼ばれます。
皮膚の浅い部分にできるそばかすに対して、後天性真皮メラノサイトーシスは肌の深部に発生することが特徴です。後天性真皮メラノサイトーシスの方がより深くに病変があるので、そばかすの治療をしていても良くなることはありません。
そこで高出力な「ルビーレーザー」などを使用し、そばかすよりパワフルにアプローチします。
そばかす以外のシミ④肝斑(かんぱん)

肝斑は、茶褐色〜茶色のシミです。
そばかすは両頬、鼻、人中、前額などに左右対称性に拡大し、不整形であることが特徴です。成人から閉経期に発生し炎症後に増大するといわれています。一般的にトラネキサム酸内服やレーザートーニングで治療を行います。
そばかす以外のシミ⑤炎症後色素沈着

肝斑は、茶褐色〜茶色のシミです。
発症に遺伝が関係するそばかすとは異なり、色素沈着はケガや火傷、虫刺されなど物理的なダメージで発症します。機器を使って治療するケースもありますが、ハイドロキノンなどの外用薬で治るケースも多いですね。
クリニックでのそばかす治療法

ーそばかすに対して、クリニックではどのような治療法がありますか?
当クリニックでは、フォトフェイシャルをメインによく使用しています。
そばかすは強いレーザーでも反応しますが、ダウンタイム(治療後の回復期間) が長くなりますし、 色素沈着を起こす時期もあります。ご希望に応じてレーザーで消すことも可能ですが、フォトフェイシャルのマイルドな効果で、治療を重ねた方が良いケースもありますね。
そばかすだけでなく、他のシミを併発しているケースもありますから、トータルに考えた上で最適な治療を実施していきます。
シミの状態を見る機器:レビュー(re-Beau)

「re-Beau(レビュー)」は、肌の状態を詳細にチェックできる画像解析システムです。
はじめは目視で診察して、それからレビューで詳しく見ていくという使い方が多いですね。レビューで詳細にチェックすると、そばかすだけでなく他のシミの併発が見つかることも少なくありません。そのため治療方法の選択や、治療計画を立てる際にも役立っています。
シミ治療機器①フォトフェイシャル

フォトフェイシャルは、IPL(インテンス・パルス・ライト)という、光を照射する機器です。
IPLは、通常のレーザーよりも広域な波長で、それがマイルドな効き目を生み出します。 そばかすへの反応も良好で、様々なシミや皮膚のたるみ、肌くすみなど、対応範囲の広さも大きな特徴となります。
シミ治療機器②ピコレーザー

ピコレーザーは、標的組織(シミやタトゥー)に選択的に吸収される波長により、ピコ秒という超短パルスレーザーを照射して、肌へのダメージを減らして治療を行える機械です。レーザートーニングでは肝斑の治療なども行えます。
モードの切り替えによって、そばかすからその他のシミ治療、タトゥーの消去まで幅広く対応します。 当クリニックでは「トータルスキンプログラム」として、フォトフェイシャルと併用しつつ、そばかす治療をするケースも多いですね。
そばかす治療で使用される内服薬やサプリメント
そばかす治療中は日焼けを避けたいので、日焼け止めあるいは飲む日焼け止めをお出しすることもあります。
また、トラネキサム酸を処方するケースもありますが、これは合併している肝斑の治療と血管新生の予防によって色素沈着を起こしにくくするためです。そのほか、スムーズなターンオーバーをサポートする目的でビタミン剤を処方するケースもあります。
いずれにせよ、患者様の状態や体質を見て、ひとりずつ処方する内容は変えています。
そばかすのセルフケアについて

ーそばかすのセルフケアは必要ですか?
そばかすの悪化を防ぐためにも、ある程度セルフケアは有効です。
ただし、積極的な治療効果を求めるのは難しいでしょう。そばかすのセルフケアでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
そばかすのセルフケアの方法
ーそばかすのセルフケアには、どのような方法がありますか?
1番重要なセルフケアは、 UV ケア(紫外線対策)になるかと思います。
紫外線はあらゆるシミの要因になるため、 私も普段から飲む日焼け止めを飲んでいます。 もちろん、肌に塗布する日焼け止めクリームや、 紫外線を物理的にガードする帽子・長袖 長ズボンも有効です。
また、近年ではハイドロキノンなども市販されていますが、一定の効果は期待できるものの、効果の高さでいえばクリニックの機器にはかないません。
それからシミは、一般的にターンオーバーの乱れで濃くなることがあるので、生活の質を高めることも良い方法でしょう。具体的には、栄養バランスの優れた食事をしっかり摂って、十分な睡眠時間を確保することが大切ですね。
そばかすのセルフケアの効果
ーそばかすのセルフケアには、どの程度の効果が期待できますか?
市販薬でそばかすを治そうとすると時間がかかりますし、コストパフォーマンスが非常に悪いと思います。ですから、そばかすのセルフケアは紫外線予防をメインに考えていただければ良いでしょう。
紫外線予防については、そばかすを悪化させたり、再発を早めたりしないためにも、そばかす治療中の方にも気をつけていただきたいポイントです。
【美容ドクターが解説】そばかすのよくある疑問

最後に、そばかすでお悩みの方から相談されることの多いご質問にお答えします。
そばかすが自然に治ることはありますか?
ーそばかすが自然に治ることはありますか?
日本人の肌質では、自然に治らず残るケースが多いと考えられます。一方で、いわゆる白人種の肌質は比較的そばかすが出やすいものの、高齢になると薄くなる人が多いようです。
日本人でも年齢を重ねると薄くなる方はいらっしゃいますが、 確実に薄くなる保証はないかもしれません。
そばかすの治療期間は?
ーそばかすの治療には、どれくらいの期間がかかりますか?
半年以内を1つの目安と考えてください。 フォトフェイシャルは1ヶ月に1回ぐらいの照射でOKですので、これを5〜6回繰り返し、おおよそ半年間というイメージです。
もちろん、治療効果には個人差もあるため、 この治療期間よりも長くあるいは短くなるケースがあります。
そばかす治療ができない人は?
ー そばかすのクリニック治療ができない人はいますか?
ほとんどの方が治療できますが、ご遠慮いただかなければならない方もいらっしゃいます。具体的には、「光線過敏を起こすような薬を飲んでる方」「皮膚に傷や疾患のある方」などです。
また、妊娠されていらっしゃる方の治療も不可能ではありませんが、メラノサイトが活性化していることもあり、治療が難しくなる可能性があります。 当クリニックでは、妊娠されていらっしゃる方への治療は、積極的におすすめはしていません。
そばかす治療後に再発することはありますか?
ーそばかすは、治療後に再発することはありますか?
そばかすは、治療後も比較的再発しやすいシミと言えるかと思います。 ですから、「再発までの期間をどれだけ伸ばせるか」を念頭において治療してゆくこととなります。
治療のパターンはさまざまですが、 集中的な治療の終了後、 数ヶ月に一度など定期的なペースで通院される方もいらっしゃいます。
そばかす治療はいつから始めるべき?
ーそばかす治療は、いつから始めたら良いですか?
美容面などで気になったタイミングでよろしいかと思います。 そばかすは病気などではないため、小さい頃から無理に治療させる必要性はあまりありません。
【そばかすに悩む方へ】美容ドクターからのアドバイス
-最後に、そばかすに悩む方へ、アドバイスをお願い致します。
そばかすに悩む方は、クリニックで治療した方が効果的と言えます。
そばかすは、フォトフェイシャルなどの治療機器に対する反応が良く、通院頻度は月に1回程度で問題ありません。そばかすに対する反応がとても良い方では、1〜2回の治療で効果が実感できるケースもあります。
また、そばかす以外のシミも併発している場合、セルフケアによってかえって悪化させてしまう恐れがあります。
クリニックでは正確な見立てに基づいて治療を実施し、きちんとした効果も期待できるので、 おひとりで悩まずぜひクリニックへご相談ください。

お話を伺った医師
ビクアスクリニック秋葉原
院長 植木 健太郎先生
福岡大学病院 形成外科、神奈川県立こども医療センター 形成外科、京都大学医学部付属病院 形成外科、大阪赤十字病院 形成外科、福岡山王病院 形成外科、大手美容外科院長を経て、2022年、ビクアスクリニック秋葉原を開院。
日本形成外科学会認定 形成外科専門医。日本美容外科学会(JSAPS)、日本抗加齢医学会所属。