シミの種類と見分け方|画像つきで特徴や違いが一目でわかる!
シミは複数の種類があり、治療方法や対策方法が異なります。そのため、最短で改善するためには、まず種類の特定が先決です。
そこで今回は、代表的なシミの種類を画像付きで紹介。シミの種類別に最適な対策方法についても触れているので、シミを改善するための参考にしてください。
シミの種類と見分け方
シミができる原因は紫外線やニキビ跡・傷、加齢、ホルモンバランスの乱れなどがあり、原因によってできるシミの種類が異なります。シミには主に6つの種類があると言われており、それぞれ次のような特徴を持ちます。
各シミの特徴について、次項より詳しく解説していきます。
老人性色素斑
老人性色素斑は紫外線ダメージの蓄積や加齢によってできる茶色~黒色で円形のシミです。
境界線がはっきりしているのが特徴で、顔や手、腕などできる範囲に規則性はなく、大きさも数ミリ~数センチとまちまち。
名前のとおり、年齢を重ねるごとに目立ってくるシミではありますが、紫外線をよく浴びる環境に身を置く人なら10代でも見られます。
加齢は止めることができませんが、紫外線ダメージの蓄積は対策を行っていれば防げるので、これ以上、紫外線ダメージを蓄積させないためにも、今からでも紫外線対策を行うようにしましょう。
おすすめの治療法はレーザー治療・フォトフェイシャル治療です。
そのほか、外用薬や内服薬による改善効果も見込めます。
また、セルフケアでも薄くできる可能性が高いシミですが、トレチノインやハイドロキノン、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)といった「シミ改善が期待できる成分」が入っている化粧品でないと効果は期待できないので、化粧品選びの際は成分表に注目してみましょう。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着とはケガや虫刺され、ニキビ跡などによる炎症後に肌のターンオーバーが乱れ、メラニン色素が上手く排出されないことによって色素が沈着してできるシミです。
色ムラがあり、輪郭がぼやけているのが特徴。ケガや虫刺されなどは年代問わず関係してくるので、炎症後色素沈着は全年代、誰にでも起こりえます。
炎症後色素沈着クレンジングや洗顔時の摩擦によってできることもあるので、スキンケアをはじめ、いかなる時でも肌を強くこすらないように注意が必要です。
効果的な治療法としては、レーザー治療やフォトフェイシャル治療が挙げられます。
老人性色素斑と同様に、トレチノインやハイドロキノン、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)が配合された化粧品を使用することによりセルフケアでも改善する可能性があるシミです。
肝斑
肝斑とは頬骨や額などに左右対称に現れるシミです。
比較的大きめのシミが広範囲にわたってでき、ホルモンバランスや季節によって濃くなったり薄くなったり色調が変化するのが特徴。目瞼にできることはありません。
肝斑ができる根本的な原因は判明していませんが、ホルモンバランスが乱れやすい30~40代に多く見られることから、女性ホルモンの乱れが大きく関係していると言われています。
そのため、肝斑を予防するには、ホルモンバランスを整えることを心がける必要があります。また、紫外線によって悪化することもあるので、紫外線対策も欠かせません。
治療法としてはケミカルピーリングや外用薬、内服薬の服用が有効です。
そばかす(雀卵斑)
そばかすは幼少期から思春期にかけてよく見られるシミです。そばかすができる主な原因は遺伝と言われており、成長するごとに薄くなっていく傾向があります。
ただし、紫外線をよく浴びていると、薄くなるどころか悪化する可能性もあるので、紫外線対策をしっかりする必要があります。
そばかすは鼻や頬をはじめ、腕などの身体にも発生。特に色白の人にできやすいシミだと言われています。
遺伝的要素が大きいそばかすは、予防したり薄くしたりすることが難しいシミですが、紫外線対策を入念にすることで、悪化の防止はできるでしょう。
セルフケアでは改善が望めないシミなので、医療機関でレーザー治療を受けたり、外用薬や内服薬を服用したりといった治療法が有効です。
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
ADMは、20歳頃から見られることが多く、他のシミと異なり肌の深い部分にできることからアザに分類されることもあるシミです。発生原因が不明。
額や頬に好発し、灰色~青みを帯びた褐色で、米粒大ほどの大きさのシミが頬の辺りに左右対称で現れます。
ADMに関しては発生原因がわかっていないので、なりやすい人の特徴も不明。予防法も確立されていないのが現状です。
また、治療においてもレーザー治療以外の方法はありません。
脂漏性角化症
脂漏性角化症は、先に紹介した老人性色素斑を長期間放置したことによってできるイボのようなシミです。別名「老人性イボ」とも呼ばれます。
肌色~黒色で大きさはバラバラ。シミの辺りにわずかな盛り上がりがあることから、比較的ほかのシミとは見分けがつきやすいでしょう。
基本的には良性なので、治療の必要はありませんが、少しでも異変を感じた場合は、皮膚科に相談するのがおすすめです。
治療の際には医療機関で液体窒素や炭酸ガスレーザー治療を受ける必要があります。
各シミの特徴を紹介してきましたが、シミの種類によっては自力で見分けるのが難しいケースもあります。シミは種類に応じて適切な対処をしないと、改善どころか悪化する可能性が高くなります。たとえば本当は肝斑であるシミに対して、レーザー治療を行った場合は、悪化するおそれがでてきます。ほかにもそばかすに対してセルフケアをいくら頑張っても効果は見込めません。そのため、シミ予防・改善を図るにはまず、シミの種類を特定する必要があります。
あなたのシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
【シミの種類別】対策方法
シミの対策方法には大きく分けて「美容医療」と「スキンケア」があり、シミの種類によって次のように最適な方法が異なります。
シミの種類 | 美容医療 | 内服薬 | スキンケア |
老人性色素斑 | ○ | ○ | ○ |
炎症後色素沈着 | ○ | ○ | ○ |
肝斑 | ○ | ○ | ✕ |
そばかす | ○ | ○ | ✕ |
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM) | ○ | ✕ | ✕ |
脂漏性角化症 | ○ | ✕ | ✕ |
スキンケアで改善が見込めるシミは老人性色素斑と炎症後色素沈着のみ。そのほかのシミにおいては、スキンケアによる改善効果は見込めません。
美容医療
美容医療には複数の治療法があり、各方法によって対策できるシミの種類が異なります。
治療法 | 治療期間の目安 | 効果の高さ | 費用相場 | 対策できるシミ |
レーザー治療 | 3ヶ月 | 高 | 5,000~20,000円/回円 | ・老人性色素斑 ・炎症後色素沈着 ・そばかす ・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM) |
フォトフェイシャル | 4~5ヶ月 | 中 | 15,000~20,000円/回 | ・老人性色素斑 ・炎症後色素沈着 ・そばかす |
ケミカルピーリング | 6ヶ月 | 中 | 5,000~7,000円/回 | ・炎症後色素沈着 ・肝斑 |
最も効果の即効性を期待できるのが、レーザー治療です。シミの濃さや肌質などにもよりますが、1回で効果を実感できるケースもあります。そのほかの治療法においては、時間をかけてゆっくり改善していくことが前提となります。フォトフェイシャルやケミカルピーリングでは、シミ以外にも美容効果が期待できる点はメリットと言えるでしょう。
レーザー治療
レーザー治療とはレーザー光線をシミに当てて、メラニンを破壊する治療法です。レーザー治療により改善効果が期待できるシミの種類は次のとおりです。
- 老人性色素斑
- 炎症後色素沈着
- そばかす
- 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
照射範囲が狭いので、スポットでシミを消したい人に特におすすめです。短期間で効果を実感しやすい一方、肌に合わない場合は逆にシミを濃くするおそれがあるので注意が必要です。
フォトフェイシャル
フォトフェイシャルとはIPL(インテンス・パルス・ライト)と呼ばれる光を照射して、メラニン色素にダメージを与え、浮き上がらせて排出を促す治療法です。フォトフェイシャルでは次のシミへの改善効果が期待できます。
- 老人性色素斑
- 炎症後色素沈着
- そばかす
複数の波長を持つIPLは、シミ以外にも肌の色ムラや毛穴の目立ちといった肌トラブルにもアプローチ可能。シミ以外の肌トラブルを改善したい人におすすめです。ただし、レーザー治療よりも光のパワーが弱いため即効性は期待できず、治療期間が長引く傾向にあります。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングでは薬剤を使用し、古い角質を除去することで肌のターンオーバーを促すことでシミの排出をサポート。下記のようなシミへの効果的なアプローチが可能です。
- 炎症後色素沈着
- 肝斑
薬剤は顔全体に塗布するため、シミだけでなくニキビやシワ、くすみなどの改善にも効果が期待できます。そのため、肌代謝を促し、本来の美しさを取り戻したい人におすすめです。ただし、酸性の薬剤を使用して肌の古い角質を溶かすため、肌質や治療を受ける日のコンディションによっては、治療により痛みやかゆみ、炎症などを発症するおそれがあります。
内服薬・外用薬
飲み薬や軟膏、クリームを用いて治療する内服薬・外用薬では、次のシミへのアプローチが可能です。
- 老人性色素斑
- 炎症後色素沈着
- 肝斑
- そばかす
内服薬の代表例としてはシナールやトラネキサム酸、ハイチオール、ユベラなどがあります。外用薬ではハイドロキノンやレチノイン酸(トレチノイン)を用いるのが一般的です。
いずれも医療機関を受診したのち、薬局で処方してもらえます。費用は数千円から20,000円程度。効果を実感するまでは3ヶ月以上の継続が必要ですが、自分のペースでシミ治療を行いたい人におすすめです。
スキンケア
化粧品や医薬部外品、医薬品といったスキンケア商品で改善が見込めるシミは次2種類です。
- 老人性色素斑
- 炎症後色素沈着
各スキンケア商品による効果や費用相場、メリット・デメリットは次のとおりです。
化粧品 | 医薬部外品 | 医薬品 | |
治療期間の目安 | 3ヶ月~ | 1ヶ月~ | 1ヶ月~ |
費用相場 | 1,000円~10,000円 | 1,500円~15,000円 | 2,000円~10,000円 |
効果の高さ | 低 | 中 | 中 |
おすすめの人 | シミがメインの悩みではない人 | 改善よりも予防を重視したい人 | 化粧品や医薬部外品では改善できないシミを持つ人 |
メリット | 費用がやすい | 長期的にシミのできにくい肌を期待できる | 化粧品よりも改善を期待できる |
デメリット | 多くの場合、効果は期待できない | 化粧品よりも若干高い | 定期的に通院する必要がある |
化粧品のメイン機能は保湿です。そのメイン機能に附随してターンオーバーの正常化を促す成分が配合されていることがありますが、多くの場合は効果が期待できません。美白有効成分が配合されている医薬部外品に関しては、シミ予防効果が認められていますが、劇的な効果は期待できないので、治療は長期戦になることを留意しておきましょう。
スキンケア商品選びのポイント
スキンケア商品は、シミや肌トラブルの症状に最適な成分が配合されているものを選ぶ必要があります。特に次のような成分はシミを薄くするのに有効とされているので、スキンケア商品選びの参考にしてみてください。
美白に役立つ成分 | シミへの効果 | 効能 |
ビタミンC誘導体 | 改善(一部) | メラニンの生成を抑制し、新陳代謝を高める。コラーゲンの生成も促進するため、シワを防ぎハリを取り戻す |
アルブチン | 予防 | メラニンを生成するチロシナーゼの働きを抑制する |
トラネキサム酸 | 予防 | メラニンの生成に必要なプロスタグランジンなどの働きを抑制。肌の炎症で起こる色素沈着によるシミ予防にも有効 |
プラセンタエキス | 改善(一部) | メラニンの生成や色素沈着を阻害してシミを予防。肌のターンオーバーを助けてくれる |
ハイドロキノン | 予防 | メラニンの生成を抑制。メラニンを作る細胞であるメラノサイトの減少 |
(グリチルリチン酸) | 予防 | 肌の炎症を抑え、色素沈着によるシミ予防に効果的 |
(ビタミンE) | 改善(一部) | 血行促進・新陳代謝の活性化により、肌のターンオーバーを促進 |
(セラミド) | 予防 | 肌のバリア機能を支え、高い保湿効果がある |
(グリセナジーMK ) | 改善 | ターンオーバーを正常化させ、同時に肌表面のメラニンを分解するというダブルアクション。今あるシミを薄くする効果が認められている。ヒト臨床試験でできてしまったシミ改善が報告された最先端成分(表示名称はオゾン化グリセリン)。 |
美白有効成分(シミ予防効果)ではありませんが、グリセナジーMK(オゾン化グリセリン)はシミを薄くする効果が認められている最先端成分として昨今、注目が集まっています。アトピーやアレルギーの改善にも効果が期待できる成分であるため、肌が弱い人をはじめ、深刻な肌の悩みを持つ人には希望とも言える成分です。
これまで説明してきたとおり、シミは種類によって選択できる治療・改善方法が異なります。間違った治療・改善方法を選択してしまうと、改善するどころか悪化のおそれも出てきます。そのため、まずは自分にできたシミの特定が必須。先述しているシミの画像と見比べてみても、自力での特定が難しい場合は、下記のシミ審断をご活用ください。
あなたのシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
よくある質問
顔のシミは消える?
シミを完全に消すことは難しいですが、美容医療を受ければ消すことは可能です。ただし、美容医療による治療で改善を図ると同時に新たなシミを作らないようシミ予防も行わなければ、いつまで経ってもシミができる状態が続くので注意が必要です。
取れないシミの種類は?
基本的には美容医療を受けることでシミを改善することは可能です。ただし、前項で説明しているとおり、治療を受けている間に新たなシミの原因を作ってしまうと、治療を受けても後からシミができるため、なかなか取れない状況に陥ります。
目の下のシミの種類は?
目の下にできるシミの種類として考えられるのは、「老人性色素斑」、「肝斑」、「炎症後色素沈着」、「そばかす(雀卵斑)」があります。そのほか、シミと同じような症状で「茶クマ」が原因の場合もあります。
シミとそばかすの見分け方は?
そばかすは小さな斑点のようなシミが散らばっており、夏は色が濃く、冬は薄くなることがあるシミです。遺伝が主な原因として考えられており、幼少期から思春期にかけてよく見られます。その一方で多くのシミは一つひとつがそばかすよりも大きく、紫外線や加齢、ホルモンバランスの乱れにより発生するので、10代から高齢者まで幅広い年代で確認されます。
なお、シミとそばかすは分けて考えられることも多いですが、私たちシミ・コンシェルジュでは「そばかすはシミの一種である」と捉えています。
シミの種類は診断できる?
美容皮膚科や医療機関で診断可能です。医療機関を受診せずに診断したい場合は、下記のシミ審断を活用することでもシミの種類を判別できます。
あなたのシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。
シミを治す第一歩は種類の特定から!
シミは種類によって発生原因はもちろん、治療法や対処方法が異なります。シミの種類を知らずに「シミに効くらしい!」と評判の化粧品を使用してもほとんど効果は実感できないでしょう。
そのため、まずは自分にできたシミの種類を知ることが改善へ向けた第一歩。適切な治療法を知るためにも、本記事で掲載したシミの画像と自分にできたシミを見比べ、そのの種類を特定してみましょう。自力での判断が難しい場合は、医療機関の受診やシミ審断を活用してみてください。
監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長
・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。