ビタミンCの美白効果は高い?効果が期待できる摂取方法と種類とは

美容と健康に良い効果をもたらしてくれるビタミンC。実は美白効果が期待できるのをご存知でしたか?

今回は、ビタミンCが持つ美容効果のなかでも、「美白」に焦点を当てていきます。さらにビタミンCの摂り方や注意点についても解説しているので、本記事でより効果的なビタミンCの摂取方法を一緒に勉強していきましょう。

ビタミンCに期待できる美白効果

ビタミンCにはメラニン生成の抑制や、すでにあるメラニン色素の無色化といった作用があるため、摂取することによる美白効果が期待できます。ちなみに「美白=肌を白くする」という意味ではありません。美白の本来の意味は「メラニンの生成を抑え、シミ、そばかすを防ぐ」ことです。ビタミンCにおける美白効果も「肌を白くする」という意味合いではない点だけ注意しましょう。

元々の肌色を白くする効果はありませんが、ビタミンCの摂取によりシミやくすみが薄くなれば、今より明るいトーンの肌になれます。ただし、ビタミンCも万能ではありません。摂取時の注意点やデメリットも後述しているのでぜひ最後まで目を通してみてください。

メラニン生成の抑制

ビタミンCはメラニン生成に関わるチロシナーゼという酵素の働きを阻害し、メラニンの過剰生成を抑制する作用があります。そもそもメラニンとは、毛髪や肌、瞳の色などを構成する黒色色素のことを言います。

肌においてはシミの原因としても知られていることから、メラニンに悪いイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、メラニンが持つ本来の役割は、肌や髪を紫外線ダメージから守ることです。

ただし、これはターンオーバー(肌の新陳代謝)が正常なときのみの話です。通常、生成されたメラニン色素は約28日周期で起こるターンオーバーによって古い角質とともに肌の外に排出されます。しかし、紫外線ダメージの蓄積などによりメラニンが過剰に生成され、排出が追いつかなくなると色素沈着が起きシミとなります。ビタミンCは、このメラニンの過剰生成を抑制してくれるため、結果的に美白効果が期待できるのです。

抗酸化作用

活性酸素の発生や活性酸素による酸化を抑える働きのことを抗酸化作用と言い、ビタミンCはこの作用を持ちます。

活性酸素は酸素が活性化した状態を言い、紫外線やストレス、タバコ、激しい運動などによって増加。通常であれば免疫機能として活躍するところ、増えすぎると細胞を傷付けてしまう要因となります。細胞が傷つき機能が低下すると肌の健康維持に大切なコラーゲンが減少したり、反対にメラニン色素が増えたりするなど、美白から遠のいてしまうような効果をもたらします。

また、活性酸素が体内で鉄と結びつくと、肌や身体を酸化(サビ)させます。これにより美白に大敵なシミ・シワなどが増える原因に。抗酸化作用を持つビタミンCを摂取することで、活性酸素の発生を抑え、酸化を防止できるため、美白には効果的です。

メラニン色素の無色化

ビタミンCにはメラニンの過剰生成を抑制するほか、すでにあるメラニン色素を無色化する作用があります。メラニン色素は酸化することで色が濃くなるのですが、ビタミンCが持つ抗酸化作用によりメラニン色素の酸化を抑制。酸化したメラニン色素を元に戻す(還元する)ことで、色が濃くなったメラニン色素を薄くできます。しかし一度還元されたとしても、すぐにまた酸化して色素が濃くなってしまうこともあります。

皮脂分泌の抑制

ビタミンCには皮脂分泌をコントロールする作用があり、皮脂の過剰分泌を抑えてくれます。肌の真皮層にある皮脂腺から分泌される皮脂は水分と混じり合い皮脂膜となり、肌表面を保護したり、肌内部の水分の蒸発を防ぐなど、肌のうるおいを保つ役割を果たします。しかし、気温の上昇や室内の乾燥、ストレス、肌内部の水分不足などによって皮脂が過剰に分泌されると、肌のバリア機能が低下。ニキビや毛穴の黒ずみなどの肌トラブルを引き起こす原因となります。

肌トラブルにより肌に炎症が起きると、今度はシミの原因に。また毛穴の黒ずみは肌のくすみにもつながります。皮脂分泌のコントロール作用があるビタミンCを摂取することで、こうした美白とは言いがたい状態を避けられます。

コラーゲン生成の促進

肌のハリ・ツヤを保つコラーゲンの合成にはビタミンCが欠かせません。コラーゲンは皮膚や血管、骨などを構成する繊維状のタンパク質です。コラーゲンは体内にあるタンパク質の約30%を占めており、そのうち40%は皮膚に、20%は骨や軟骨にあるとされている重要な成分です。

コラーゲンは肌の真皮層にある繊維芽細胞によって生成されますが、ビタミンCはその繊維芽細胞を活性化することでコラーゲンの生成を促進します。

裏を返せばビタミンCが欠乏するとコラーゲンの生成ができなくなるので、肌のハリ・ツヤが失われます。それだけでなく、表皮と真皮層の間にある基底膜の機能が低下。表皮に十分な栄養が届かなくなることによりターンオーバーが乱れ、シミの原因にもなります。

ビタミンCを摂取する方法

美白に欠かせないビタミンCを摂取する方法は複数あります。

 食べ物サプリメント美白美容液ビタミン注射
効果の高さ
効果を実感するまでの期間1ヶ月~3ヶ月~1ヶ月~1回~
取り入れやすさ
おすすめの人美白を目指すすべての人食事でビタミンCを補給しきれない人シミ・くすみの悪化予防をしたい人いち早く効果を実感したい人
費用の目安-300円~3,000円/月1,500円~15,000円/月1,000円~/回

効果の即効性を求める場合は、1回から効果を実感できるビタミン注射がおすすめです。1回1,000円程度と費用もそれほど高くない反面、効果の持続は1週間程度なので1~2週間に1度のペースで美容クリニックに通う手間がかかります。

一方、効果を実感するまでに時間はかかりますが、手軽に続けやすいのは食べ物やサプリメントです。普段の食事にビタミンCを意識した食材を取り入れるだけなので、ほとんど手間はかかりません。また、食事で補いきれない場合はサプリメントの活用で手軽にビタミンCを摂取できます。

ビタミンCを摂取できる食べ物

普段の食事で使用する食材を工夫することで、手軽にビタミンCを摂取できます。ビタミンCの1日の推奨量は100㎎です。ビタミンCが多く含まれる下記のような食材を上手に取り入れて、毎日ビタミンCを摂取できるように心がけましょう。

ビタミンCを含む主な食材

食材ビタミンC(可食部100g当たり)
ミニトマト32㎎/約6個
レモン100㎎(果汁の場合は50㎎)/小さめ1個
ブロッコリー(茹で)54㎎/大きめ3房
キウイフルーツ緑:69㎎、黄:140㎎/大きめ1個
70㎎/約1個
いちご62㎎/大きめ3粒
赤ピーマン170㎎/4分の3個
黄ピーマン150㎎/4分の3個
キャベツ41㎎/3~4枚程度
モロヘイヤ65㎎/1束

参照:文部科学省「日本食品標準成分表」

水溶性ビタミンであるビタミンCは、熱に弱く水に溶けやすい性質を持っているため、できるだけサラダなどの生食で摂るのがおすすめです。熱を通す場合は、加熱しすぎない程度にさっと火を通すようにしましょう。もしくはスープにして汁ごと飲めば、余さずビタミンCを摂取できます。また、水洗いする場合も水にさらしすぎないのがポイントです。普段の食事を少し工夫するだけでビタミンCを補えるので、美白を手に入れたいすべての人におすすめの方法です。

ビタミンC配合のサプリメント

食事でビタミンCを補うのが難しい場合は、サプリメントの活用も考えましょう。サプリメントであれば、いつでもどこでも手軽にビタミンCを摂取できます。安いものであれば1ヶ月分を300円程度で手に入れられるので、ランニングコストも抑えられます。

普段から栄養バランスのとれた食事ができる人であれば、サプリメント1粒に含まれるビタミンCの量が少ないものがおすすめです。食事から摂れるビタミンCの量に合わせて、サプリメントの量を減らす(または増やす)といった工夫ができます。

一方で食生活が乱れがちな人の場合は、ビタミンC以外にもビタミンCの働きをサポートするビタミンEや、肌のターンオーバーを正常化するビタミンB2など、ほかの栄養素が含まれているサプリメントを選ぶと良いでしょう。

サプリメントはグミ、カプセル、錠剤、粉末などさまざまなタイプがあるため、飲みやすいものを選ぶのもポイントです。

ビタミンC配合の美白美容液

すでに顔にできてしまったシミを改善するのは難しいですが、その悪化を予防したい場合は、ビタミンCが配合された美白美容液の使用がおすすめです。ビタミンC配合のスキンケア商品のなかには「ビタミンC誘導体」という成分が配合されたものもあります。ビタミンCとビタミンC誘導体の違いは次のとおりです。

  • ビタミンC

肌につけた瞬間からビタミンCの美白効果を発揮。高い美容効果が期待できます。しかし、ビタミンCは空気に触れると酸化しやすく肌に吸収されにくいため、十分な効果を得られない可能性がある点には注意が必要です。製品によって濃度が異なり、濃度が濃いほど高い効果が期待できますが、肌への刺激も増します。そのため、敏感肌など、肌への負担が心配な場合は、5%程度の低濃度製品から試すのがおすすめです。

  • ビタミンC誘導体

ビタミンC誘導体はビタミンCになる前の成分で、体内の酵素と結びつきビタミンCに変化します。そのため、酸化することなくビタミンCの摂取が可能。肌への浸透が早い反面、浸透が浅い「水溶性ビタミンC誘導体」と、深部まで浸透するが、浸透スピードが遅い「脂溶性ビタミンC誘導体」、両方のデメリットを補う「両親媒性ビタミンC誘導体」があります。

製品によって異なりますが、価格は1,500円~15,000円ほど。15ml程度の量で1ヶ月から1.5ヶ月分であることがほとんどです。

ビタミン注射

効果の即効性を求める場合は、ビタミン注射がおすすめです。美容クリニックで1回1,000円程度から注射できます。ビタミン注射は1回からでも効果を実感できますが、効果が持続する期間は1週間程度。そのため、1~2週間に1度の間隔で継続的に受けることで、より高い効果が期待できます。

また、ビタミン注射を受けることで美白効果以外にも疲労回復やストレスの緩和、免疫力の強化など、さまざまな健康効果も見込めます。

ビタミンCを摂取する上での注意点

美白を目指してビタミンCを摂取する場合、次の点に注意しておきましょう。

  • 毎日摂取する必要がある
  • 過剰分は排出される
  • 熱に弱く水に溶けやすい
  • ビタミンCを単体で摂取してもコラーゲン生成を促せない

ビタミンCは身体に溜め込めないため、毎日継続して摂取する必要があります。また、1回に多量に摂取しても過剰分は尿として排出されます。ごくまれに下痢や吐き気など、過剰摂取による健康被害が起きるおそれもあります。

先にも少し触れていますが、ビタミンCは熱に弱く水に溶けやすいので、食べ物から摂取する場合はできるだけサラダなど、フレッシュな状態で食べるのがおすすめです。加熱する場合は短時間で調理してしまうか、またはスープにして汁ごと食べると余すことなくビタミンCを摂取できます。水にさらす場合も短時間で作業を終えるようにしましょう。

ビタミンCが持つ「コラーゲン生成の促進」効果は、同じくコラーゲンの元となるタンパク質も合わせて摂取しなければ発揮されません。ビタミンCだけに特化した食事内容にしたとしても十分な効果を得られないので、ビタミンCを意識しつつ、あくまでバランスの取れた食事メニューを考えることをおすすめします。

ビタミンCの美白効果で肌トラブルを解消

ビタミンCの摂取方法は食べ物やサプリメント、美白美容液、ビタミン注射などがあります。このうち、最も早く効果を実感できるのはビタミン注射ですが、1度打てばずっと効果が続くわけではありません。また、ビタミンC化粧品も、今あるシミを改善することはとても難しいです。いずれの方法にも言えることですが、シミやくすみなど、美白の天敵である肌トラブルは生活習慣やストレスによってできるので、これらを改善しないことにはなかなか美白に近づけないでしょう。

そこで大切なのが、シミの原因を知ることです。シミの原因を知れば、ビタミンCによる改善を図りながら、予防もできるため効率的に美白に近づけます。

ただし、シミができる原因は種類によって異なります。そのため、まずはシミの種類を知ることが美白への第一歩です。もし自分にあるシミの種類がわからない場合は、ぜひこちらのシミ審断を活用してみてください。

あなたのシミを本気で治したいなら、3分でできるシミ審断を活用してみてください。

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

監修医師 コッツフォード良枝 先生 銀座禅クリニック医院長

・所属学会
日本抗加齢学会/日本麻酔科学会/日本オーソモレキュラー医学会/国際オーソモレキュラー医学会/
国際抗老化再生医療学会/臨床水素研究会/日本東洋医学会正会員
・経歴
2007年山梨大学医学部卒業、その後国際医療センター国府台病院で初期研修。研修後は日本医科大学麻酔科に入局し勤務。
その後大手美容クリニック勤務ののち、一般皮膚科、美容皮膚科などの勤務、院長勤務などを経て現在はGINZA Zen禅クリニック院長。
人が持つ本来の美しさを引き出すことをモットーに、たくさんの患者の様々な皮膚と真剣に向き合う。

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