サイトカイン(Cytokine)

炎症の重要な調節因子で、細胞から分泌される低分子のたんぱく質の総称。生理活性たんぱく質ともいう。体内に侵入したウイルス等の病原体に応答して産生され、免疫機能を刺激、動員、増殖させる。

mRNA(messengerRNA, messenger Ribonucleic acid)

細胞がたんぱく質を合成する過程で、DNAから転写される一本鎖のRNAのこと。DNAが持つ遺伝情報は、細胞の中でリボゾームによって読み取られ、たんぱく質へと翻訳される。一定の時間が経過すると、RNA分解酵素の働きにより分解される。

Nrf2転写因子(NF-E2-related factor 2)

生体は、酸化と抗酸化のバランスを調節することで恒常性を維持している。Nrf2転写因子は、その維持機能を担っている因子のひとつ。DNAやたんぱく質などの生体高分子を酸化して攻撃する物質により活性化されて、標的遺伝子の転写を増強し、様々な局面で細胞を保護することがわかってきている。

インパクトファクター(Impact Factor)

自然科学や社会科学の学術雑誌が、各分野内で持つ相対的な影響力の大きさを測る指標。その雑誌に掲載された論文が、1年あたりに引用される回数の平均値で、1975年から毎年計算されている。異論もあるが、一般的にインパクトファクターの値が高い方が、より大きな名声を持っているとみなされる。

ホメオスタシス(Homeostasis)

ギリシア語のHomeostasis(「同一の状態」という意味)が語源。恒常性とも言う。生体の内外の環境変化に関わらず、生理機能が安定した状態に保たれる性質。生物にとって極めて重要なものである。
恒常性が保たれる範囲は、体温、血圧、病原体やウイルスの排除、傷の修復など、生体機能全般に及ぶ。

SID(Society for Investigative Dermatology)

皮膚の健康と疾患に関わる研究者たちによる、世界有数の科学研究機関。
本部はアメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド。メンバーは32か国に及ぶ。
年次大会は、皮膚の基礎研究者の世界最高レベルの学会とも言われ、定期的に発行される会報(ジャーナル)は、2021年度のインパクトファクターが皮膚科部門で第5位という権威の高さを誇る。